7 各論2:脈・血圧(血管):高血圧・低血圧(1)降圧薬(4)

尿に関係するホルモン、あともう1つありましたね。

名前が働きそのままの「心房性ナトリウム利尿ペプチド」です。

このホルモンの働きは、

腎臓に入る血液量を増やしてろ過量を増やし、

ナトリウムイオンの再吸収を抑えて尿を出させること。

末梢血管の拡張とナトリウム性利尿の両方をコントロールです。

 

心房性ナトリウム利尿ペプチドに似せて作った薬に

カルペリチド(ハンプ)があります。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00008757

遺伝子組み換えを利用して作られた薬なので、

添付文書にちゃんと「遺伝子組換え」と書いてありますよ。

急性心不全と慢性心不全の急性増悪のときに

血圧を下げて心臓の負担を和らげるお薬です。

 

禁忌は脱水症状、重い低血圧、心原性ショックの人と右室梗塞のある人。

利尿される(尿として水を体の外に出す)働きがある以上、

脱水が悪化してしまうことは分かりますね。

そして血圧不足等で全身細胞が酸素不足に陥るショック状態でも、

めぐるもの(体内循環量)が減りますから、これまた悪化してしまいます。

右室梗塞については「一般的に静脈還流が減少し、

低拍出状態を増悪させるといわれている」と添付文書に書いてあります。

 

「右室」と出てきたので、ちょっとだけ補足。

血管系と心臓の働きを理解しているかの確認に便利なので、

「右心不全」「左心不全」という言葉はそれなりに出てきます。

 

体循環に血液を送り出す左心系(左心房・左心室)が

十分に働けない(心不全)と、肺循環で血液が順番待ちをすることになります。

その結果が肺うっ血、咳嗽、ピンク色泡沫状喀痰。

順番待ちの血液がたまっているせいで、

水分(一部血液)が気管支の方へしみ出てしまったからです。

肺周りに血がたまる(うっ血)せいで肺はうまく膨らめず、

上体を起こした方が呼吸しやすい起坐呼吸になります。

 

肺循環に血液を送り出す右心系(右心房・右心室)が

十分に働けないと、心臓に血液(静脈血)が戻れずに順番待ち。

下肢静脈瘤や腹水、頚静脈の怒張等が出てきます。

 

そしてどちらも酸素の多い血液が全身に向かうことができませんから、

全身の細胞が酸素不足になってしまい「呼吸困難」が出てくることになります。

 

どこで血液が順番待ちをしているかが分かれば、

不具合が出てくる場所もイメージできるはず。

むやみに怖がる必要はありませんからね。