3 脈拍・血圧のおはなし(2):血圧2(高血圧)

(2)高血圧

高血圧は、収縮期血圧が140mmHg以上、

拡張期血圧が90mmHg以上とするのが

2009年の高血圧学会の指針です。

 

こちらも、原因は一応2つに分かれます。

他の病気があるせいで高血圧になってしまった「二次性高血圧」。

原因は、副腎系と糖尿病性が多いですね。

副腎もしくは副腎に命令を出すところに腫瘍ができると、

副腎から出るホルモンが過剰に出ます。

副腎髄質の腫瘍は褐色細胞腫。

髄質からは交感神経系で働く

アドレナリン、ノルアドレナリンが出ていましたね。

腫瘍のせいでこれらが過剰に出ると、

高血圧・高血糖・頭痛・多汗・代謝亢進が起きます。

これらの英語頭文字をとって「5H

(Hypertension、Hyperglycemia、Headache、

Hyperhidrosis、Hypermetabolism)」と呼ぶこともありますよ。

皮質なら原発性アルドステロン症やクッシング症候群が起こりますね。

原発性アルドステロン症の脱力はミネラル異常によるもの。

満月用顔貌(ムーンフェイス)は、

糖質コルチコイドの脂肪沈着作用によるものです。

糖尿病性は、腎機能障害によるもの。

糖尿病の三大合併症は

網膜症・腎症・末梢神経(細胞)障害でしたね。

腎臓がうまく働けなくなると、アルブミン尿(タンパク尿)が出てきます。

腎臓がうまく働いているかを見るものが、

糸球体ろ過値(GFR)とクレアチニンクリアランスです。

ここについては下部消化器系のところでまたおはなししましょうね。

 

原因が分からないけど血圧が高いものが「本態性高血圧」。

これが、高血圧症の約9割を占めます。

原因不明にもかかわらず、

放置していると「左心肥大」と「動脈に変化」が起きます。

大きな動脈では粥状動脈硬化(アテローム硬化)、

中ぐらいの太さのところでは中膜平滑筋細胞の増殖と肥厚。

これらが進行すると…

心臓のところでおはなしした虚血性心疾患をはじめ、

脳卒中や腎不全を起こします。

今まで勉強をしてきたみなさんは、

心臓・脳・腎臓がおかしくなったらどうなるか、イメージできますね。

生命の危険そのものです。

だからこれらによる死亡(生命危険)を防がなくてはなりません。

しかも単に血圧を下げる(降圧剤や血管拡張薬)だけでは、

根本的問題が解決しません。

代償機構のことを思い出すと…

全部がダメダメになるのは時間の問題です。

だから、高血圧症は生活指導が大事になってくるのです。

 

「原因不明なのに、生活指導?」と疑問に思うかもしれません。

確かに「本態性高血圧の起こる本当の原因」は不明です。

でも、少なくとも重大状態を引き起こしうる

「動脈硬化症」に対する指導なら、できることがあります。

ここで看護が有効に介入しうる

「動脈硬化症」のおはなしに移りましょう。