5 脳神経系と内分泌系のおはなし(24)

残っているのは情報の交差のおはなしです。

 

まずは前提として復習。

大脳は左右に分かれています。

身体も「右半身」「左半身」と左右に分けることができますね。

ここで右脳の指令が右半身にいけば素直でよかったのですが…

右脳の命令は左半身に行き、左脳の命令は右半身に行きます。

この「意図的に行う運動を担当する情報の通り道」を「錐体路」と呼んでいます。

「大脳が筋肉に命令するときの通り道」が、錐体路です。

情報が「交差」する場所は橋から脊髄。

脳や脊髄、そこから出ている運動神経(の一部)がおかしくなってしまったとき、

動かなくなる(命令が届かなくなる)場所を確認しましょう。

 

一番軽いのは腕や足の片方だけを動かせない「単麻痺」

これは脊髄を出た後の「筋肉に命令を伝える運動神経」がおかしくなってしまったとき。

脳や脊髄は問題ありません。

 

続いて両足が動かせない「対麻痺」

これは脊髄の、足を担当するところがおかしくなってしまったとき。

前回のミオトームを見ると腰髄2番(L2)から下は、足を担当していましたね。

病気や事故で見た目は怪我してなさそうだけど車いす…というときは、

この「対麻痺」の可能性が高そうです。

 

さらに半身(片方の腕と足)が動かせない「片麻痺」

こちらは脊髄ではなく大脳のどちらかがおかしくなってしまった可能性が高いです。

おかしくなってしまった脳半球は、動かせない側と反対。

これ、今回の「情報の交差」で分かることですね。

交差部分付近がおかしくなると、

片方の腕と反対側の足が動かせないこともありますよ。

 

最後が両方の腕と足が動かせない「四肢麻痺」

脊髄でも上の方…頚髄の損傷だということはミオトームから予想できますね。

同時に、人工呼吸器の可能性も高くなっています。

病気だけでなく、

スポーツ(スノーボード等)からの事故で起きることも少なくありません。

 

あと、入ってくる命令が交差するのが「視交差(交叉)」

視覚情報が全部反対側の大脳に向かう…と思いきや。

「外側(耳側)の視覚情報はそのまま、内側(鼻側)の視覚情報は反対大脳へ」向かう、

「半交叉」を取ります。

これ「立体的に見ることができる」理由です。

微妙な情報のずれが出るので、それをもとに大脳の視覚担当が

「こっちはでっぱり、ここが引っ込んで…」と処理してくれます。

視交叉は間脳の視床下部にあります。

視交叉上核が、体内時計…概日リズム(サーカディアンリズム)に関係するところ。

強い光でメラトニン分泌減少…のおはなしは、間脳のところでしましたね。

 

以上、これでも簡単な神経系のおはなしでした。

次回からは、内分泌(ホルモン)のおはなしです。

今までも、ときどきホルモンの名前は出てきました。

先程出た「メラトニン」もホルモン。

ホルモンは名前だけではなく、出る場所・働く場所・働く内容も理解が大事ですよ!