7 生殖器系のおはなし(2)

細胞の中の情報、DNAについてのおはなしです。

DNAそのものについては、生化学「10 DNA・RNA:遺伝子」へ。

ここでは、分裂をするために注意することをおはなししますね。

 

生殖細胞は次の世代(生命)の材料

だから「ただ半分にすればいい」のではありません。

適当に半分に分けたら、

下半身の情報がごっそり抜けていた…なんて困ってしまいます。

だから「過不足なく半分にする」ことが至上命題。

そこで細胞分裂前にだけ見える「染色体」が重要になってきます。

 

核内のDNAは、

普段はヒストンというタンパク質に巻き付けられて、軽くひねってあります。

これは「染色質」という状態。

細胞を酢酸カーミン等で染めると、核内が一様に染まる状態です。

ところが細胞分裂前には、これらの染色質がひも状に見えるようになります。

この「染色質が寄り集まって、ひも状に見えるようになったもの」が染色体です。

染色体は1本ではなく、たくさんあるので番号がついています。

大きいほうが1番、一番小さいのは22番。

これらが常染色体。

あとは、性を決定する染色体(性染色体)。

XとYがあり、男性ではXY、女性ではXXになります。

細胞分裂前の核内には、DNAを2倍にした後の染色体が46本入っています。

性染色体以外は、同じ番号の常染色体が2本で1セット。

染色体は全部で46本あるので「2n=46」と書き表します。

これがヒトの染色体です。

 

そして同じ番号の染色体には、ほぼ同じ情報がのっています。

これを「相同染色体」といいます。

2番と2番の染色体は、相同染色体。

5番と18番の染色体は、相同染色体ではありません。

相同染色体がくっついたものを「二価染色体」ということもあります。

一度同じもの同士をくっつけてから、

別々の方向に離せば、分裂後のどちらの細胞にも同じ情報が届きますね。

こうすれば、細胞に分けられた情報が

「上半身だけ!」「下半身しかない!」を防ぐことができそうです。

…この「相同染色体同士を向かい合わせてから別の細胞にわけること」は、

生殖細胞を作るときに限った話ではありませんよ。

普通の細胞分裂でも行われている方法です。

ただ、生殖細胞での振り分けミスはその後に大変なことになります。

 

普通の細胞分裂だったなら。

DNAの情報コピーミスや、染色体の振り分けミスがあったとしましょう。

変な細胞分裂をしてしまっても、「ありゃー、失敗!」で済みます。

周りには正常な細胞がたくさんあるので、

失敗した細胞(分裂元と、分裂先)を処理してしまえば、終わりです。

足りなくなった分は周りが多めに分裂すれば、

すぐにフォロー可能ですね。

 

…生殖細胞だと「周り」はいません。

いるのは受精する相手の生殖細胞のみ。

生殖細胞のDNAコピーミス・染色体振り分けミスは

新しい生命の細胞の情報ミスに直結します。

次回、たくさんあるミスのうち

分かりやすい染色体レベルの振り分けミスについておはなしましょう。