10 核酸・遺伝子のおはなし(3)
前回までで、
DNAとRNAの関係についてわかりましたね。
最初に、専門用語でまとめておきましょう。
『DNAは1つしかないが、
RNAにはmRNA、tRNA、
rRNAの3種類がある。
DNAは核内にあり、
DNAポリメラーゼとDNAリガーゼという酵素は
DNAの異常を正常に戻す働きがある。
ヒトは細胞分裂時に
DNAの半保存的複製という振り分け方法を採用している。』
どうでしょう?
専門用語でも、何を意味しているのかイメージできましたか?
イメージできたなら、
もう少し詳しいDNAの話に入りますよ。
DNAの正式名称は「デオキシリボ核酸」でした。
これが情報を記録しておく「素材」に当たります。
ここからは「素材」に注目したおはなしです。
DNAは糖と塩基とリン酸からできています。
永久保存版設計図の素材は、
糖と塩基とリン酸がつながったものなのですね。
糖と塩基とリン酸が組み合わさった1まとまりを、
「ヌクレオチド」とも言います。
「DNAはヌクレオチドがたくさん集まったポリヌクレオチド」
などのように使いますね。
このときの糖はデオキシリボース。
糖の分類からいうと、五炭糖です。
「3 糖質と糖質代謝」で「遺伝子の糖だよ!」と言っていた、
五角形のデオキシリボースがここで登場です。
リン酸はミネラルのリンがちょっと形を変えたもの。
塩基は…ちょっと説明が必要ですね。
とりあえず今は
「塩基という部分がある。
アデニン(A)、チミン(T)、
グアニン(G)、シトシン(C)の4種類ある。」
これでオッケーです。
RNAも糖と塩基とリン酸から出来ています。
でも、糖と塩基に違いがあります。
糖は五炭糖ですが、リボースです。
塩基はアデニン、ウラシル(U)、
グアニン、シトシンの4種類です。
この違い、国家試験でも聞かれます。
『糖がリボースならRNA、デオキシリボースならDNA』
『塩基がウラシル(U)ならRNA、
チミン(T)ならDNA』
今のうちに頭に入れてしまいましょうね。
前回の復習部分も一緒にすると…。
『DNAは2枚で1セット、RNAは1枚のみ』
『DNAは1種類、RNAは3種類』
『DNAには酵素による修復作用がある、RNAにはない』
これら、DNAとRNAの大事な違いですよ。
ついでに、もう1つ大事なこともおはなししてしまいましょう。
塩基は、手をつなぐ相手が決まっています。
アデニンはチミンと、
シトシンはグアニンと手をつなぎます。
RNAなら、
アデニンはウラシルと手をつなぐことになりますね。
塩基から出ている手の本数によって
誰と手をつなぐかが決まるのですが…
そこについては次回。
痛風のおはなしも関係してきますからね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220530更新)