11 ホルモンのおはなし(11)

副腎皮質ホルモンのちょっと詳しいおはなし。

今回は残った糖質コルチコイドのコルチゾール(コルチコステロイド)です。

こちらはグルココルチコイドと呼ばれます。

血糖値を上げる働きがありますね。

でもそれだけではありません。

糖質コルチコイドには強い抗炎症作用があります。

まず、炎症は分かりますね。

発赤・発熱(熱感)・疼痛・腫脹が炎症の特徴

簡単に言うと赤く腫れて、熱くて痛い(かゆい)…です。

これらは細胞が「なんか変なこと起きてる!助けて!」と

体のガードマンである白血球たちにヘルプを求めている状態。

炎症が起きると、白血球たちが異常発生場所に集まりやすくなるのです。

でも、ヒトから見れば…炎症は実に嫌なものです。

そこで使われるのが消炎鎮痛剤。

「痛み止め」「解熱」などの薬は、

炎症を起こす炎症物質を邪魔するというおはなしをしましたよね。

「8 脂質代謝」のところです。

その一番根っこにあるアラキドン酸

リポタンパク球や中性脂肪から切り離さないようにするのがコルチコステロイドでした。

そう!

副腎皮質ホルモンの、糖質コルチコイドなのです。

だから「副腎皮質ホルモンは抗炎症作用がある」のですね。

炎症物質の根っこを抑えるので、糖質コルチコイドはよく効きます。

でも、注意しなくてはいけません。

まず、糖質コルチコイドの働きは抗炎症作用だけではないこと。

血糖値を上げる働きもありますから、高血糖になります。

次に糖質コルチコイドで炎症は治まっても、

その原因は何一つ解決されていないということです。

糖質コルチコイドは炎症物質を作らせませんが、

炎症物質を作ろうとしていた以上、どこかが「助けて!」状態のはずです。

糖質コルチコイドの供給が止まれば(減れば)、

不足していた炎症物質を今まで以上に産生するのは自然なことです。

…これが「ステロイドの途中中止によるぶりかえし」です。

アトピー等の皮膚炎で「ステロイドのぶりかえしが怖い!」というのは、

この自己判断中止による炎症物質産生促進が起きるからです。

ちゃんと診察を受けて薬を受け取ったら、自己判断せずに指示通りに使うこと。

そして定期的に診察を受けること!

細胞の「助けて!」のもとが解消される前に薬を止めては、

今までの時間とお金が無駄になって、さらに炎症に苦しむことになりますよ!

 

副腎皮質ホルモンの過剰症はクッシング症候群

下垂体前葉の副腎皮質刺激ホルモンの出すぎが原因のことが多いですね。

中心性肥満(体幹に脂肪)と満月様顔貌(ムーンフェイス)が主症状です。

どちらも、糖質コルチコイドの脂肪沈着作用の表れです。

欠乏症は急性が副腎クリーゼで、慢性がアジソン病

どちらも全身倦怠感・脱力が出ますが…

急性の副腎クリーゼはそこから脱水・血圧低下が一気に出現します。

これ、生命の危険ですから一刻も早く病院へ!