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12 血液と免疫のおはなし(7)

2022年6月25日

血小板の重要性、分かってくれましたよね。

今回は血小板に関係する病気についておはなしします。

2つ紹介しますが、

どちらも看護師国家試験によく出る病気です。

早いうちに理解するのが、吉ですよ。

 

1つ目が播種性血管内凝固症候群(DIC)

漢字の通り、

種を播(ま)いたように、血管の中で、

固まってしまった病気です。

この病気の始まりは、

ちょっとした外傷(けが)や火傷(やけど)など。

ちょっとしたショックから、

血管の中で血栓(かさぶた)作りが始まってしまいます。

血栓はそのまま放っておいたら、

細い血管で詰まってしまうかもしれません。

それでは「細胞に酸素や栄養物を届ける」

血液の役目を果たせません。

だから「うわっ!溶かさなきゃ!」と

線溶が始まります

こんなところで出血が起きたらどうなるか。

出血は止めないといけませんが、

まず血栓で血小板が使われて不足しています。

さらにせっかく血小板をかき集めたと思ったら、

線溶で溶けてしまいます。

「血栓だらけなのに、血が止まらない!」

これが、播種性血管内凝固症候群(DIC)の症状です。

 

続いて「血友病」のおはなし。

血液凝固因子は「順番通り」

組みあがることでフィブリンになります。

途中が欠けてしまったら、

完成品ができません。

その結果、血が止まるのが

異常に遅くなってしまったものが血友病です。

 

覚えること自体は簡単。

血液凝固因子8番(第Ⅷ因子)欠乏が血友病A、

血液凝固因子9番(第Ⅸ因子)欠乏が血友病Bです。

これ、看護師国家試験でよく出てきますからね。

血友病のおはなしは以前しましたよね。

そう、遺伝…性染色体上の遺伝子のおはなしをした

「10 DNA・RNA:遺伝子」のところです。

「X染色体上に原因遺伝子があって、

ヘテロでは発症しないけど

男性はX染色体が1つしかないから即発症!」の、

あのおはなしです。

そのときは

「ふーん、近親婚って悪い影響が濃縮されやすいんだー」

ぐらいの受け止めだったと思います。

今なら「うわ!止血が遅れるって、

それはヤバい状態だよ!」と分かってくれるはずです。

 

2つご紹介した血小板の病気。

どちらもよく国家試験で聞かれますからね。

さくっと覚えて、得点源にしちゃいましょう。

 

血球のおはなし、一段落。

次回からは血漿成分のおはなしに入りましょう。

「血漿タンパク質」と

「ヘモグロビン」のおはなしです。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220625更新)