4 血糖と糖尿病のおはなし(7)
今までのおはなしで、糖尿病についての理解が深まったはずです。
もうそろそろ、糖尿病の種類について説明してもいいでしょう。
糖尿病は、大きく2つに分けられます。
これ、原因が違うために、治療選択順や好発年齢が違います。
単に丸暗記するのではなく、理解していくことが一番の近道ですよ。
糖尿病の約9割…約90%を占めるのはNIDDM。
インシュリン非依存型糖尿病のことで、Ⅱ型糖尿病とも呼ばれます。
このタイプは、インシュリン自体は出ています。
それなのに、細胞が号令を聞いていません。
中年発症が多く、ふくよかな方が多いですね。
残りの約1割(約10%)を占めるのがIDDM。
こちらのタイプは、
インシュリンの出が悪い・もしくは出ていない状態です。
細胞が待てど暮らせど号令が来ないパターンです。
若年発症で、やせ型が多いのが特徴です。
では治療方法の違いも確認。
まず9割のNIDDMでは、インシュリン自体は出ていましたね。
それなら、細胞が号令を聞くようにすればいいはずです。
最初は、食事療法と運動療法からスタートです。
バランスの取れた食事を腹八分に。
運動を生活に取り入れて、細胞がお腹空いた状態になるように。
これでインシュリンの号令を聞いてくれれば、
高血糖状態は改善されるはずです。
…それでだめなら。
食事療法と運動療法を継続しつつ、
口から飲むお薬でインシュリン分泌を増やしてあげましょう。
号令が強力になれば、細胞が言うことを聞くかもしれません。
…それでもだめなら。
しかたない、インシュリンそのものの注射です。
この3段階が、NIDDM治療の基本です。
もちろん、急を要する場合は
いきなりインシュリン注射になることもあります。
だけど「インシュリンが出ている以上、頑張ってもらう」が原則。
かたやIDDMではインシュリンの絶対量が足りません。
膵臓に作ってもらおうにも、
インシュリンを作るB細胞がダメになっていることが多い状態。
こんなときに「頑張れ!」なんていうのは酷な話です。
だから、IDDMでは最初からインシュリン注射が選ばれます。
「最初から作れないものは無理させない。作れているなら、頑張ってもらう」
これが基本的考え方です。
…私たちだって、そもそもできないことを「頑張れ!」なんて言われても
「無理言わないでよ!」と返したくなりますよね。
(膵臓の)細胞も、同じことです。
食事療法の中身は、興味がある人は調べてみてくださいね。
大事なことは「いろいろなものをバランスよく」です。
なぜそうなるのか…は、
ビタミン・ミネラルのところでおはなししますからね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220313更新)