3 ケース3:深夜の悲劇(4)
今回は「あなたが少し偉くなって、フロアーの防災管理者になったら」のおはなし。
日々の防災対策、意識していますか?
まず、非常時の防災マニュアルは必要ですね。
火事だけでなく、地震・台風・停電・断水などについてもいえることです。
…まず、数人で思いつく範囲で考える。
次に他の部門との連携を考える。
さらに病院・施設外との連携をとって、必要に応じて作り直す。
少なくとも、ここまで必要です。
ええ、「少なくとも」ですよ。
ここに実際の訓練も入れないとプランの改善ができません。
自分がどう動いたらいいかの確認もできませんね。
はっきり言って、めんどくさいと思います。
でも、紙のマニュアルがあるだけでは、もしものときに動けません。
誰かに聞こうにも、夜勤かつ急な火災では聞ける人も時間もありません。
だからこそ訓練をして、
できれば体に、最低でも頭に入れておくことが必要になってくるのです。
ましてや防災管理者ともなれば、
人の流れや時間等も把握しないといけませんからね。
多分、昼間の人が比較的多くいる時間の避難訓練は実施されていて
一定規模以上の病院・施設では一応の流れはつかめているはずです。
…やっていなければ、すごく危険です。
マニュアル完備、ちゃんと訓練…でも、それ、「昼人員」で考えていませんか?
この事件のように「夜間」かつ「自力で動けない人が多い」ときにどうするか、
ちゃんと考慮されていますか?
仮に基本方針は同じでも、初動は大きく変わるはずです。
きっと、どこかに助力を求めないと動けないはずです。
どこに、どのように助力を求めるのか。
それは常に可能な方法なのか。
様々な状況を想定して、マニュアルをアップグレードしていってください。
火事や停電。
交通機関麻痺。
電話やコンピューターの通信不能や物理的通行不能。
これらに、あなたの病院・施設のマニュアルは対応していますか?
当然、単一職だけで対応しきれるものではありません。
医師、看護師、医療助手ほか、
病院・施設の人員全てを巻き込んで「大チーム」を作る必要があります。
そして、本当の意味では
次回考える病院経営者も巻き込んで、ハード面も充実させることも含めて、
ようやく役に立つ「非常時対策」になるのです。