13 各論7:ウイルス(1)DNAウイルス(9)
B型肝炎ウイルスのおはなしの続きですね。
前回おはなししたように「成人なら急性、幼少期までなら慢性」と
ある程度パターン分けできていたのですが。
欧米に多かったタイプのB型肝炎ウイルス
(成人感染でも慢性化しやすい)が若年層を中心に増加して、
パターン通りではなくなってきつつあります。
若年層では性行為による感染が多いですね。
体液や分泌液中に微量の血液が混ざることによる感染です。
肝炎の詳しいおはなしは病態学等にお任せしてしまいますが。
人体最大工場(合成・分解・貯蔵)が炎症を起こして、
本来の働きができなくなったらどうなるか…はイメージできますね。
全身に、様々な悪影響が出てきてしまいます。
一応抗ウイルス薬の一部やインターフェロンが使われますが、
B型肝炎ウイルスの種類によっては効きにくいこともあります。
だから予防第一!
母親がHBs抗原陽性だったら、
新生児には出生直後(12時間以内)にHBVワクチンと、
高力価抗HBsヒト免疫グロブリン(HBs抗体のこと:HBIG)を注射。
あと2回ワクチン接種をして、
キャリアー化しないように免疫をお手伝いしてあげます。
医療従事者(を目指す人)や課外渡航予定の人は、
HBVワクチン接種は必須レベルです。
また、乳児対象にHBVワクチンが定期接種になりましたから、
ちゃんと利用してくださいね。
B型肝炎は、感染症法5類の「7日以内の全数届出」疾患ですよ。
さて、肝炎ウイルスのおはなしは続きますが。
ここから先はRNAウイルスのおはなしになります。
「グループも代表も多いから、注意して!」のエリアですね。
B型肝炎ウイルスと並んで説明されることが多い、
C型肝炎ウイルスのいるフラビウイルス科から次回スタートです。