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14 各論8:ウイルス(2)RNAウイルス(12)

今までのおはなしの中でも

「生命に危険を及ぼす」ウイルスはたくさんありました。

この後は「直接的に生命に危険!」な感染症法1類ウイルスをご紹介。

エボラ出血熱とマールブルグ熱の原因ウイルスがいるフィロウイルス科と、

クリミア-コンゴ出血熱の原因ウイルスがいるナイロウイルス科、

ラッサ熱と南米出血熱の原因ウイルスがいるアレナウイルス科です。

 

その後は2類感染症のSARS、MERSの原因ウイルスがいる

コロナウイルス科、

4類感染症のリフトバレー熱と

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の原因ウイルスがいる

フェニューウイルス科でRNAウイルス各論を締めくくることにしましょう。

 

L フィロウイルス科

ひも状の、ちょっと変わった形のウイルスがフィロウイルス。

エボラ出血熱の原因「エボラウイルス」と、

マールブルグ熱(マールブルグ病)の原因

「マールブルグウイルス」が代表です。

オオコウモリを自然宿主にしていますが、

それがなぜヒトに感染するのかはよく分かっていません。

 

ヒト間の感染は血液を含む体液接触で起こるため、

患者さんとの接触には特別な注意が必要になります。

病原性が非常に高い、感染症法1類感染症です。

潜伏期間は4~21日ほど。

突然の発熱、頭痛、筋痛で発症し、

腹痛、下痢、嘔吐、結膜充血に加えて

出血傾向、血圧低下の全身症状に変わります。

命を奪われる確率は、25~90%と幅があります。

治療薬やワクチンがないことを考えると、

流行地への旅行は避けた方が無難です。

ウイルスの分布自体はアフリカから東南アジアへの広域にわたりますが、

発症の大部分はアフリカに集中しています。

仕事等でやむなくアフリカに向かうときには、

流行状況を必ず確認すること。

厚生労働省検疫所のホームページ等で確認できますからね。

帰国後に熱が出たら、医療機関にまず電話で確認。

検査ができる医療機関は限られていますし、

病院等で他の人に感染を広げては大変なことになりますからね。

医療従事者はスタンダードプリコーションですね。

一命をとりとめ、無事に回復しても

分泌液や眼球等に数か月レベルでウイルスが残ると報告されています。

本人のみならず、

家族の既往・渡航歴も重要になってくるということですね。