11 精神のおはなし(3)3大欲求障害、時期・段階に特徴的な障害(2)

B 過眠症

眠りすぎてしまうものが過眠症(ナルコレプシー)。

ナルコレプシーについては、

脳・脊髄3(「変!」の結果)のところで

おはなししたので簡単に。

 

過眠症は日中の過度の眠気と睡眠発作が

3か月以上(慢性)に続くものです。

日中の過度の眠気から始まり、

入眠時にレム睡眠が出てしまうことで出現する

「レム睡眠関連症状」が約半数に見られます。

 

ヒトの睡眠は、

レム睡眠とノンレム睡眠に分けられます。

レム睡眠は、眼球が動く浅い眠り。

脳波をみると、脳はほぼ起きている状態。

夢を見るのはこのときです。

でも体はレム睡眠中にしっかり休んでいます。

ノンレム睡眠は、眼球が動かない深い眠り。

体は動きますが、

夢も見ずに脳がしっかり休息しています。

3段階に分けられ、

一番深い眠りのところ(N3)では、

呼吸や脈もゆっくりになります。

寝てすぐにノンレム睡眠の一番深いところに到達し、

徐々に眠りが浅くなり、

レム睡眠までの1サイクルが約1.5時間。

それを数回繰り返しながら、眠りは少しずつ浅く、

レム睡眠時間が長くなりながら、

起床(活動状態)へと準備をしていきます。

これが、正常な睡眠のスタイル。

 

本来、入眠時には頭が休むノンレム睡眠が出るはずです。

だから入眠時にレム睡眠が出ると、

「夢を見ている状態」に似た幻聴・幻視、

数秒から数分にわたる睡眠麻痺

(手足や頭を動かせない、話せない、呼吸できない等)が

出ることがあります。

日中の眠気に対しては、

ドーパミン等のモノアミン(使用後)再吸収を邪魔して、

交感神経系優位を手助けする薬などが使われます。

不眠には超短時間作用型の睡眠薬、

レム睡眠関連症状にはごく少量の抗うつ薬を使うことがあります。

 

C 睡眠リズム障害

睡眠リズムの障害が、

時差ボケ等の概日リズム障害。

生物に存在する体内時計が乱れて起こる障害ですね。

外因性のものと内因性のものがあります。

 

外因性は、体内時計自体は正常だけど、

社会的要請から体内リズムと異なった時間帯に

睡眠をとろうとするときに生じるもの。

5時間以上の時差や、交代制の勤務で起こりますね。

内因性のものは体内時計を

昼夜24時間に合わせることができずに生じるもの。

高齢者に多い、睡眠相前進などがここに入ります。

メラトニン受容体作用薬や

超短時間作用型の睡眠薬が使われることになります。

 

でも、薬に頼るだけでなく「光」の力を利用しましょう。

季節性うつ病でも出てきた、高照度光療法ですね。

光刺激で松果体がセロトニンを分泌して、

体内時計がリセットされます。

約15時間後にメラトニンが分泌されて、

睡眠へといざなってくれます。

高齢者に多い早朝覚醒は、

朝日が睡眠サイクルをどんどん前へずらしてしまいます。

起床後しばらくの間は、

外出時にサングラスをかけて松果体への刺激を減らしましょう。

看護師の夜勤は必要不可欠な交代制勤務ですが、

睡眠リズムの視点からは好ましくありません。

昼夜の逆転は糖尿病、高血圧、心血管障害の

リスクを高めることをお忘れなく!