12 末梢神経のおはなし(2)聴覚・触覚と皮膚(前半)(8)
閉鎖空間の中には皮膚常在菌の
アクネ菌(いわゆるニキビ菌)がいて、
アクネ菌がリパーゼを出すと周囲に炎症が起こります。
これが「赤ニキビ」の状態。
炎症の結果、白血球に細菌等が貪食されると
膿ができて膿疱ができます。
「黄ニキビ」ですね。
炎症がもっと奥まで進むと、あとが残ります(瘢痕)。
ニキビは年齢の経過とともに
性ホルモン分泌が安定し、自然に消えます。
それまでは規則正しい生活をして、
睡眠を十分にとること。
便秘を防ぐために、
お菓子やコーヒーは控えめに。
ビタミンA、B2、B6を含む食品を
ちゃんと食べましょう。
炎症ありの赤ニキビ・黄ニキビなら
過酸化防止のビタミンEも追加です。
毎日の洗顔・入浴で体の表面を清潔に保ってくださいね。
化粧は炎症を悪化させる刺激ですから、中止です。
髪や指で触ることも刺激になってしまいますからね。
局所外用薬や内服薬もありますが、
それらは補助であることをお忘れなく。
かゆみのある「脂多すぎ!」が脂漏性皮膚炎。
頭部(含む顔面)、胸部、背部等の
皮脂腺が多くある場所(脂漏部位)にできやすい、
かゆみのある湿疹が、脂漏性皮膚炎です。
頭部の軽症は「ふけ症」ですね。
約2/3は頭皮にでき、
皮がぱさぱさ剥がれる粃糠(ひこう)様落屑と
紅斑が見られます。
放置してしまうと毛包炎を起こして、
脱毛の可能性もありますのでちゃんと治療です。
ステロイド剤外用薬がよく使われ、よく効きますが、
再燃も早いので根気よく治しましょう。
免疫不全もしくは低下状態では
皮脂好きの常在真菌マラセチアが増えやすいので、
抗真菌薬が出ることもありますよ。
やっぱり基本になるのは
ヒトの各種細胞を元気にすること。
規則正しい生活と睡眠をしっかりとることですね。
定期的な洗髪や入浴も必要ですが、
過度の洗いすぎは禁物です。
皮脂がなくなると、
水分を守れないせいで肌がかさつきます。
さらに「水分足りない!蒸発を防がなくなくちゃ!」と、
皮脂の分泌量が増える原因にもなりますよ。
細菌の名前がでたので、
次回からは皮膚の感染症のおはなしに入りましょう。
真菌・ダニのおはなしを先にしてから、
細菌・ウイルスのおはなしに入りますね。