4 体温のおはなし(1)血液・免疫(3)

(2)溶血性尿毒症症候群・紫斑病

溶血性尿毒症症候群は、

O-157で有名な病原性大腸菌の出すベロ毒素が

腎臓等をおかしくしてしまったもの。

ベロ毒素を受け止めることのできる受容体が、

こともあろうに腎臓の糸球体内皮細胞にあるのが問題です。

急性の腎障害が出てきます。

毒素のショックで、赤血球は膜が破れて溶血性貧血。

血小板は血栓を作り始めてしまいます。

…やっぱり、血栓が詰まったら大変ですね。

アスピリンで血小板が集まることを防いで、

血栓を予防してください。

腎臓の働きがおかしくなってしまっていますから、

水分・電解質(ミネラル)にも注意してくださいね!

 

紫斑は、出血後の赤血球内色素ヘモグロビンの色。

「あざの色」と言えば分かりますね。

これが出ているということは「出血があったよ!」ということです。

「血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)」は、

線溶がない播種性血管内凝固症候群だと思ってください。

五徴候とされるのは「(紫斑等の)出血」、

「溶血性貧血」、「発熱」、「精神・中枢症状」、

「(多くは急性の)腎機能障害」。

かなり先程の溶血性尿毒症症候群と重なりますね。

これらの原因は、かなりの割合で自己抗体産生によるもの。

自己抗体とは、

自分の体に対して「異物だよ!」と印付けしてしまうことです。

これはとても危険なので、

血漿中の抗体を取り除く「血漿交換療法」がとられます。

同時に、欠けてしまったもの

(フォンビルブランド因子:vWF)を補充する

「補充療法」も行われますね。

こちらもアスピリンを使って、血栓予防です。

 

「特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病(ITP)」の四大出血は、

「皮下」、「歯齦(歯肉)」、「鼻内部」、「性器」。

他にも各所で出血し、貧血(鉄欠乏性貧血)を引き起こします。

ただ、血友病のような深部出血ではなく、

主に表面付近の出血です。

こちらも、血小板の細胞膜を異物としてしまった自己抗体が原因。

なぜかできてしまった自己抗体のせいで、

血小板も、その大元の巨芽球も減ってしまいます。

出血傾向がなく、

血小板が3万個/㎕以上あれば経過観察でいいのですが。

出血傾向が出た、もしくは血小板数が2万個/㎕を下回ると、

薬物療法(ステロイドを含む免疫抑制)や、

脾臓を取り出す手術もあり得ます。

胃にピロリ菌がいるときにピロリ菌を退治すると血小板数が増えるので、

途中でピロリ菌の検査が入ることもありますよ。

紫斑病のところで「自己抗体」が出てきました。

抗体は白血球の仲間「B細胞(Bリンパ球)」が作る、

血漿タンパク質(グロブリン)です。

白血球と

血漿タンパク質(グロブリン)のおはなしに移りましょう。