6 体温のおはなし(3)上部消化器系(+肝胆膵)(1)
体温に関係する2ブロック目、
上部消化器系のおはなしです。
消化器系が体温に関係する理由は大丈夫ですか?
ATPを作るもとになるグルコース(糖質)を吸収するためです。
なぜタンパク質や脂質からATPを作らない方がいいのか
思い出せない人は、
タンパク質から作りたいものの多さと、
脂質が代謝されたときに出るアセチルCoAの行先を
確認してみましょう。
酵素やポルフィリンの存在、
アシドーシスの危険に気付けたら、オーケーですよ。
上部消化器系を、上の方から確認していきます。
大まかな流れは、「口」、「のど・食道」、
「胃・十二指腸」、「小腸」ですね。
「小腸」のあとに、消化に欠かすことのできない
「肝臓・胆嚢・膵臓」のおはなしもしましょう。
1 口腔内の異常
口は消化器系の入り口。
ただの入り口ではなく、
食べ物を噛んで物理的に細かくし、
消化酵素で化学的にも細かくするところです。
食べ物の味を感じるところでもありますね。
ここがおかしくなると「分解」できません。
口で十分に食べ物を小さくしておかないと、
その先で働きたい酵素がうまく作用できません。
だから、口の働きはかなり大役です。
(1)口腔障害・顎関節症
まずは「噛む」ための大前提がおかしくなってしまった、
口腔障害と顎関節症についておはなししますね。
口腔周りは先天異常の多いところです。
口唇口蓋裂は、特にお目にかかりやすい先天異常の1つ。
放置すると、栄養面に影響する「哺乳」にも、
話すための「構音」にも悪影響が出てきます。
だから高校卒業くらいまでは、
骨の成長に合わせて数年ごとに手術をすることになります。
もちろん、
スポーツや事故等の外傷も口腔異常の原因になりえます。
「噛む」ためには顎関節が必要です。
先天的な顎の変形があると、
かみ合わせ(咬合)に関係してきます。
顎関節の変形はなくとも、
脱臼や「噛んだら痛い!」でも困ってしまいます。
顎関節の脱臼は「あごが外れた!」状態ですね。
顎の脱臼は咬筋などが発作的に筋収縮してしまう
「スパズム」が、こともあろうに
口を思い切りあけたときに起こってしまうものです。
口を閉じられなくなるので、
話せない・のみ込めない…
初めて起こるときには痛みも出ますから、
パニックになってしまうかもしれません。
予防のためには、
口を大きく開けすぎないことですよ。
顎関節症には「音が出る」「噛むと痛い」
「うまく開けられない」等の症状が出ます。
いろいろなことが原因になりえますが…
各種の「くせ(歯ぎしり・頬づえ等)」や
精神状態から起こることもありますよ!
口の中は炎症が起きやすいところ。
刺激の多さに対抗するため、
扁平上皮を幾重にも重ねた上皮細胞を準備していても、
それでもトラブルは起きてしまうものです。
当然、口の中が痛くて不快だと、
食べ物をうまく食べられませんね。
粘膜の炎症と、歯の周りの炎症(歯周病)、
虫歯についておはなししましょう。