7 体温のおはなし(4)内分泌系(代謝異常)(14)
(3)低血糖症
低血糖症は、血糖値が60mg/㎗を下回ってしまったもの。
動悸・ふるえ・発汗といった自律神経症状が出るのは、
「やばい!何とかしなきゃ!」と
アドレナリンがたくさん出るからです。
対応が遅れると思考力低下、けいれん、
異常行動(中枢神経症状)が出て、昏睡です。
先程おはなしした糖尿病の治療中、
運動時や調子が悪くて
あまり食べられなかった日(シックディ)等で起こりえます。
糖尿病以外でも起こりますよ。
インスリン自己免疫疾患やインスリノーマのように
イメージしやすいものから、
下垂体や副腎皮質の分泌作用低下による内分泌系、
アルコールを含む薬物性、肝がん等でも起こりえます。
肝がんは腫瘍細胞から
インシュリンに似た成長因子(IGF-Ⅱ)が出るせいですが…
そうでなくとも、肝臓は血糖値維持に不可欠なところです。
肝臓に蓄えてあるグリコーゲンが、
空腹時の血糖値を維持してくれます。
同じグリコーゲン貯蔵場所でも、
筋肉のグリコーゲンは筋収縮にしか使われませんよ。
糖代謝異常症の1つに、
グリコーゲン病(糖原病)があります。
常染色体劣性遺伝の1つですが、
グリコーゲンの貯蔵部位が分かれば、
どこがおかしくなるか(肝臓と筋肉)分かりますね。
「劣性」の言葉が出てきたので一言補足。
遺伝情報が片親から伝われば発現する「優性」と、
両親から伝わらないと発現しない「劣性」。
この言葉が「顕性」と「潜性」に変わる可能性があります。
確定事項ではありませんが、
言葉のイメージから変更しようとする動きがあるこのは事実です。
もしかしたら勉強の途中で変更されるかもしれませんので、
一応頭の片隅に入れておいてくださいね。