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9 呼吸器系のおはなし(3)骨の異常(3)

B 脊椎骨折

続いて脊椎骨折のおはなし。

脊椎とは、背骨のこと。

背骨は小さな平べったい円柱状の骨が

たくさん集まってできています。

上から、頸椎、胸椎、腰椎、仙椎。そして尾椎。

頸椎7個、胸椎は12個、腰椎は5個で仙椎は5個。

尾椎は退化して1つの骨になってしまいました。

仙椎と尾椎は

骨盤と合体してしまっている部分がありますよ。

これら椎骨は腹側が円筒状の「椎体」。

背側は丸みの中を脊髄が通る「椎弓」、

筋肉がくっつく場所の「棘突起」があります。

上下の椎骨がつながるところが椎間関節で、

椎体の間に挟まっているのが「椎間板」ですね。

「脊椎が骨折した!(脊椎損傷)」というときには、

たいがい脊髄もおかしくなって手足に麻痺が出ます。

これが脊髄損傷です。

なお、脊椎は無事でも

脊髄がおかしくなってしまうこともありますよ。

交通事故等で起こる

むち打ち症に代表される「非骨傷性脊髄損傷」ですね。

脊髄に注目するおはなしは、中枢のところでしましょう。

ここでは骨の「脊椎」に注目です。

 

脊椎骨折は外傷由来が多いですね。

頸椎なら、頸部痛(首の痛み)が出て、

たいがい意識障害を伴います。

知覚異常や筋力低下も重なることが多いですね。

胸椎なら、

胸部大動脈損傷も起きているかもしれません。

腰椎や仙椎だと、

腰痛に加えて排便・排尿障害を起こすことがありますよ。

これらの脊椎骨折に対しては、

安静で骨癒合を待つものから、

すぐに手術をして内固定をするものまで、

状態に応じて対応が異なります。

 

以上が、基本的な骨折(と骨髄炎)のおはなし。

ここから、小児と高齢者の骨折についておはなしします。

 

C 小児の骨折

小児の骨折は「子供の骨」の性格が分かれば簡単です。

子供の骨は粘性が高く、

多孔性で骨膜が厚い特徴があります。

イメージしてほしいのは、若い枝と古い枝。

太さが同じなら、

古い枝は「バキッ!」と2つに折れるところ、

若い枝では「ぐにゃっ」と曲がるだけです。

この「外力によって2つに割れるのではなく、曲がる」骨折を

若木骨折と呼びます。

骨成長点の骨端軟骨部が骨折してしまうと、

骨癒合の関係上骨端線が予定よりも早く閉鎖してしまいます。

そこに変形・成長障害が出てくる可能性がありますね。

骨折しやすいところは上肢なら橈骨と手指骨、

下肢なら脛骨・腓骨。

関節周辺でも骨折は起こりやすいですね。

再骨折に注意する必要はありますが、癒合は簡単。

9割が保存療法(ギプス固定のみ)になるのはこのためです。

 

覚えておいてほしいのは、ギプスのやり方によっては

血管損傷やフォルクマン拘縮が起こりうること。

これらは手術が必要になってくるかもしれません。

「フォルクマン拘縮」というのは、

コンパートメント症候群の前腕版。

特に小児の前腕顆上骨折(肘周辺)で危険です。

コンパートメント症候群の兆候や、

多動的に伸ばした(伸展)ときに

前腕に痛みが出たらすぐに医師に報告です。

2~3時間で筋肉の不可逆的変化が始まりますから、

アセスメントを怠ってはいけませんよ。

もちろん、開放骨折なら

6時間以内のゴールデンアワー内に緊急手術!

すぐに洗浄して、創を閉じて、固定!ですね。