10 各論5:体温(感染・免疫):①感染入門
感染と免疫のおはなしに入りますよ。
「体温」に関係するパートの最後ですね。
前半が感染、後半が免疫(血液系)のおはなしになります。
感染は、とても広範囲です。
下手をすると微生物学全部が範囲に入ってしまいます。
それはさすがに無理がありますので…。
ある程度は「よく出る」薬のおはなしに限定しますよ。
感染パートの進行予定としては、
このイントロダクション(概論?復習?)のあと、
細菌→原虫→真菌→ウイルスと進む予定です。
…おはなしする順番にいかんせん統一性がありませんが、
そこはご容赦を。
「え?どこが変なの?」と思った人。
今からの微生物学概論で「変」の理由を理解してくださいね。
まずは大前提。
ヒトは真核細胞の多細胞生物です。
これは生物で勉強したはず。
微生物学等で出てくるもの(異物、病原体)は、
「生物」と「生物?」に分けることができます。
「生物」に入るのは細胞からできている真菌、原虫、細菌。
「生物?」に入るのはウイルスです。
生物は細胞で出来ていて、自分で増えることができます。
ウイルスは細胞でできておらず、
自力で増えることができません。
だから薬がどこに効くかを考えるとき、
「生物」組とウイルスには大きな違いがあります。
どう違うのかについては
「抗ウイルス薬」のところでおはなししますね。
では「生物」の中も分けていきますよ。
原核生物は細菌だけ。
真菌と原虫は真核生物です。
核がなくて、DNA(遺伝情報)が
細胞内に散らばっているのが原核生物。
核の中にDNAをしまっているのが真核生物ですね。
ヒトの細胞と同じかどうかで、
原核生物の細菌とは大きな違いがありますね。
そこに注目して生まれたのが
「抗菌薬」の一種「抗生物質」です。
真核生物でも、
単細胞か多細胞かで分けることができますね。
真菌は、単細胞でも多細胞でも生きていけます。
原虫は単細胞生物です。
多細胞生物としてヒトに近い真菌と、
ヒトとは遠い原虫に分けることができました。
以上をもとに、
ヒトに近い順に並べると真菌、原虫、細菌、ウイルス。
遠い順に並べるとウイルス、細菌、原虫、真菌です。
おはなし予定の順番が変なこと、分かってくれましたか?
変な順番になった理由は感染機会の多さ。
イコール、薬の使用頻度の高さです。
その結果、
耐性菌のおはなしが出てくることにもなりますよ。
次回から「細菌に効く薬」のおはなしです。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230503更新)