10 各論5:体温(感染・免疫):⑦消炎鎮痛剤(4)

アセチルサリチル酸以外にも、

炎症物質プロスタグランジンを作らせない薬はありますよ。

ロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソプロフェン)が代表的ですね。

これもシクロオキシゲナーゼ(COX)を邪魔します。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054815

 

禁忌はアセチルサリチル酸で確認した通り。

重い肝臓、腎臓、心臓の障害。

重い血液異常や消化性潰瘍。

アスピリン喘息になったことのある人や妊娠末期の人も禁忌です。

アセチルサリチル酸のところでしっかり確認したので、今なら理解も簡単なはずです。

 

併用注意もほぼ同じですね。

非ステロイド系消炎鎮痛剤一般に、腎臓の機能(と利尿薬の効き)が悪くなります。

 

併用すると効果が強く出る一定の薬に含まれるものに、

抗凝固薬のワーファリンと抗菌薬のニューキノロン系が入っていますね。

ニューキノロン系はGABAを阻害して、けいれんを起こしやすくしていました。

それが増強されるので…もっとけいれんが起きやすくなってしまいます。

また、プロスタグランジンの血小板凝集作用がロキソプロフェンで抑制されています。

そこにワーファリンまで入ったら、もっと血が固まりにくくなってしまいますね。

 

同様に効果が強く出る可能性があるものに、

メトトレキサートと炭酸リチウムがあります。

メトトレキサートは抗腫瘍薬であり、免疫抑制剤。

炭酸リチウムは精神分野で使うお薬です。

どちらもこの先出てきます。

そのときには「痛み止めとの併用で注意が必要かも…」と思い出してくださいね。

 

他にも非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)に含まれる薬はありますが。

ちょっと「別」な痛み止め、アセトアミノフェン(カロナール)を紹介します。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00063312

アセトアミノフェンは、シクロオキシゲナーゼを邪魔しません。

働くところは大脳から視床下部までの「中枢」です。

視床下部にある体温中枢に働いて、末梢(皮膚)の血管を広げます。

これで体温が下がる(「熱が下がった!」)ことになります。

そして大脳皮質と視床の「痛い!」と感じるレベルを緩めて

(「痛み閾値を高める」といいます)、

「痛くない!(鎮痛)」状態にするのですね。

 

次回はアセトアミノフェンの禁忌からおはなししますね。