3 薬に共通するおはなし(2):分布(D)(7)

代謝における相互作用の基本は

「薬の効果が強く出る」でした。

逆に、薬の効果が弱く出ることもありますよ。

2種類以上の薬を飲んだとき、

片方の薬のせいである特定のチトクロームP450が増えて、

もう片方の薬が必要以上に分解されてしまうせいです。

 

例えば結核の薬リファンピシンを飲むと、

チトクロームP450のある種類がたくさんできます。

その結果、抗血栓薬のワーファリン、降圧剤のニフェジピン、

抗不整脈薬のリスモダンなどは

予想よりも多く分解され効きが悪くなります。

同じように手術前の催眠鎮静薬のフェノバルビタールを使うと、

結果的に抗血栓薬のワーファリンの効きが悪くなります。

 

薬どうしでなくとも、効果を弱くする相互作用は起こりますよ。

タバコ(喫煙)は、

肝臓内で特定のチトクロームP450を増やします。

その結果、降圧剤のインデラルや

ぜんそく薬のテオフィリンなどの効きが弱くなります。

 

タバコは刺激物が多く含まれるため、

気管支にとっては炎症のもとです。

炎症を起こして気道が狭くなるからぜんそくが起こるのに、

タバコを吸い続けていては刺激物が止まりません。

しかも相互作用によって分解が増えますから、

薬を飲んでもその効きが悪くなってしまいます。

だから「ぜんそくの人は禁煙してください」と言われるのです。

 

タバコの害については呼吸器系だけでなく、

骨はじめ各病態学で出てくると思います。

そのときにも

「相互作用で薬の効きが悪くなる!」ことを思い出してくださいね。

 

次回は、薬アレルギー(薬物過敏症)のおはなしです。