3 薬に共通するおはなし(2):分布(D)(7)

2022年11月19日

代謝における相互作用の基本は

「薬の効果が強く出る」でした。

逆に、薬の効果が弱く出ることもありますよ。

2種類以上の薬を飲んだとき、

片方の薬のせいである特定のチトクロームP450が増えて、

もう片方の薬が必要以上に分解されてしまうせいです。

 

例えば結核の薬リファンピシンを飲むと、

チトクロームP450のある種類がたくさんできます。

その結果、

抗血栓薬のワーファリン、降圧剤のニフェジピン、

抗不整脈薬のリスモダンなどは

予想よりも多く分解され効きが悪くなります。

同じように手術前催眠鎮静薬の

フェノバルビタールを使うと、

結果的に抗血栓薬のワーファリンの効きが悪くなります。

 

薬どうしでなくとも、

効果を弱くする相互作用は起こりますよ。

タバコ(喫煙)は、

肝臓内で特定のチトクロームP450を増やします。

その結果、降圧剤のインデラルや

ぜんそく薬のテオフィリンなどの効きが弱くなります。

 

タバコは刺激物が多く含まれるため、

気管支にとっては炎症のもとです。

炎症を起こして

気道が狭くなるからぜんそくが起こるのに、

タバコを吸い続けていては刺激物が止まりません。

しかも相互作用によって分解が増えますから、

薬を飲んでもその効きが悪くなってしまいます。

だから

「ぜんそくの人は禁煙してください」と言われるのです。

 

タバコの害については呼吸器系だけでなく、

骨はじめ各病態学で出てくると思います。

そのときにも

「相互作用で薬の効きが悪くなる!」ことを

思い出してくださいね。

 

次回は、薬アレルギー(薬物過敏症)のおはなしです。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20221119更新)