8 各論3:体温(消化器系):肝胆膵(3)肝臓・代謝異常(5:痛風3)
コルヒチンのおはなし。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058355
まずは禁忌確認から行きましょう。
妊婦・妊娠可能性のある人。
肝臓又は腎臓に障害があって、
この薬と同じ分解酵素で分解される薬を使っている人。
あとは過敏症の人ですね。
「妊婦・妊娠可能性のある人」のところに、
「家族性地中海熱の場合を除く」とありますね。
家族性地中海熱は常染色体潜性(劣性)遺伝の、
腹膜炎に代表される炎症性疾患。
インターロイキンに関係があると考えられている病気です。
コルヒチンは白血球が仲間を集めるインターロイキンを
邪魔するお薬だから、家族性地中海熱に使われるのですね。
動物実験では、
量に比例して催奇形性があると報告されています。
「同じ分解酵素で分解される薬」は、
抗生物質をはじめいろいろあります。
添付文書の併用注意の欄を見ていくと…
下の方にグレープフルーツジュースの文字があります。
グレープフルーツの果汁には、
特定のチトクロームP450の働きを邪魔する働きがあります。
邪魔されるものが他の薬でも使われる分解酵素であることから、
「グレープフルーツジュースと一緒に飲まないでください」と
言われることが多いです。
…そのせいがあったかどうかは分かりませんが、
近年はグレープフルーツ自体を目にする機会が減りました。
もし目にする(もしくは口にする)機会があったら、
「ああ、痛風薬コルヒチンはじめ併用注意…」と
思い出してくださいね。
以上が、尿酸代謝異常の痛風に使う薬のおはなし。
タンパク質代謝と全くの無関係ではありませんが、
ヒトでは「核酸代謝」の結果であることをお忘れなく!
【今回の内容が関係するところ】(以下20230306更新)