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9 各論4:体温(内分泌系):副腎・性腺(2)

2023年4月4日

テストステロンエナント酸エステルの禁忌からですね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00055304

 

禁忌は妊娠・妊娠可能性のある人。

女児の男性化が起こってしまいます。

アンドロゲン依存性悪性腫瘍のある人も禁忌ですね。

前立腺がんがあるときに補充してしまうと、

悪化する恐れがあります。

 

併用注意には、

ワーファリン等の抗凝固薬が書いてありますね。

これはテストステロンに凝固因子を邪魔する働き

(因子合成阻害や因子分解促進)があるので、

ワーファリンの抗凝固作用が強く出る可能性があるから。

 

慎重投与対象も見ておきますよ。

高齢者、前立腺肥大の人、がんの骨転移のある人、

心臓や腎臓の悪い人、思春期前の人ですね。

 

心臓や腎臓が悪いと、

体液貯留(水やナトリウムなど)で悪化する可能性はあるから。

高齢者は腎臓の排泄機能が衰えてきますね。

前立腺肥大は男性ホルモン依存性なので、

悪化する可能性がありますよ。

がんの骨転移があると、骨からカルシウムが溶けだしやすく、

高カルシウム血症の危険があります。

卵胞ホルモンのように

骨代謝に直接関係するのものではありません。

でも男性ホルモンも骨に作用するものである以上、

補充でミネラル貯蔵に変化を起こすため、

慎重に…ですね。

思春期前では、

早期骨端線閉鎖と性的早熟の可能性ですね。

小学校低学年から陰茎肥大や持続性勃起が

「性的早熟」の内容になりますよ。

 

…がんのおはなしは

次の「感染・免疫」予定ですが。

性ホルモンに依存するがんのお薬については、

ここで補足してしまいましょう。

 

ついさっき出てきた前立腺がんは、

男性ホルモンがあることで増殖します。

だから、がん細胞が男性ホルモンを

取り込めないようにしてしまえという薬が、

クロルマジノン酢酸エステル(プロスタール)です。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057510

 

前立腺がん細胞は、

テストステロンの取り込みを邪魔されるので、

増えることができません。

前立腺自体の肥大を抑え、

萎縮させる働きもある薬です。

 

禁忌は重い肝障害。

薬の代謝(M)に悪影響が出るからですね。

慎重投与は心臓や腎臓の病気の人と糖尿病の人。

心臓や腎臓が悪いと体液貯留(水やナトリウム等)の可能性、

糖尿病だと耐糖能低下が起こる恐れがあるからですね。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230404更新)