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9 各論4:体温(内分泌系):副腎・性腺(3)

2023年4月4日

性ホルモンにがん細胞成長が依存するなら、

もっと根本的に対処する方法がありますね。

視床下部レベルで

コントロールしてしまえばいいのです。

今から「視床下部レベルで

性ホルモン依存がんに効く薬」を紹介しますが…。

 

注意してくださいね。

対象となる病気(効く病気)が多い薬ですが、

全身に広い影響が出る薬でもあります。

ある意味、視床下部の性ホルモンコントロール全体の復習に

もってこいのおはなしですよ。

 

リュープロレリン酢酸塩(リュープリン)は、

LH⁻RH誘導体と呼ばれるお薬です。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00065297

体内に吸収されて、代謝されると

「黄体刺激ホルモン放出ホルモン」の働きを発揮します。

だから、薬の初回仕様直後は

「下垂体⁻性腺刺激作用(急性作用)」が出ます。

欲しい効果と、逆向きの働きです。

 

でも、薬の刺激はあまりに強く下垂体の刺激ホルモン

(FSHやLH)は産生・放出が減ってきます。

「こんなに作れない…もう駄目だ…」状態です。

 

さらに性腺(卵巣や精巣)でも

下垂体からの刺激に反応しなくなっていきます。

急性作用のようなドカンと強力な命令に慣れてしまい、

ちょっとやそっとの刺激では動かない状態です。

 

結果、テストステロンやエストラジオールの産生は

思春期前のレベルまで下がります。

これで、性ホルモン依存のがんは増えられなくなりました。

前立腺がん、閉経前の乳がんはもちろん、

中枢性思春期早発症や子宮内膜症、

子宮筋腫の一部にもこのお薬は使われます。

 

ちょっと覚えておいてほしいこと。

「あまりに強い刺激に慣れて、

ちょっとやそっとの刺激で動かなくなる」おはなしは、

中枢のところでまた出てきますよ。

「依存」に関係してくるおはなしです。

 

話をリュープロレリン酢酸塩に戻しますよ。

禁忌や重大副作用等が、結構広いところに出てきます。

 

薬自体に過敏症が出たら当然禁忌。

女性では妊娠・妊娠可能性のある人、授乳中は禁忌です。

動物実験で胎児死亡や骨格異常、

乳汁移行が報告されています。

また、安全性が確立されていないので乳児にも禁忌。

あとは、診断がついていない異常性器出血も禁忌ですよ。

悪性疾患の可能性があるからですね。

 

慎重投与以降は、次回おはなしすることにしましょう。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230404更新)