2 「健康」とは:(4)「ヒトとしてよく生きる」ために(1)
「(動物として)生きる」、「(動物として)よく生きる」、
「ヒトとして生きる」をクリアーしてきました。
次は「ヒトとしてよく生きる」段階ですね。
「ヒトとしてよく生きる」とはどんな状態か。
少々イメージが難しいかもしれません。
質問を変えてみましょう。
「どんな状態なら、ヒトとして生きていることを楽しめますか?」
「あなたはどう生きたいですか?」
これなら、どうですか?
「好きなことだけやって、好きなものを食べて、
周りから余計なことを何も言われずに生活したい!」
「好きな人と一緒に暮らして、お金の心配せずに旅行出来て、
友達と楽しく遊びたい!」
他にもいろいろあると思います。
とりあえず、金銭の願望は一度横に寄せて。
多くの人には「自分を大事にしたい」側面と、
「自分が(他の人よりも)認められたい」側面が見え隠れしているはずです。
「好きなことをしたい」は、
「自分のしたいこと」を大事にしていることと同じ。
「(恋愛にせよ友愛にせよ)好きな人と一緒にいたい」は、
「自分を認めてくれる(とうれしい)人といたい」と同じことですね。
マズローの基本欲求の4段目(上から2番目)は、承認欲求。
名誉や自己尊重と表現されることが多いですね。
自己尊重は、自分のことを大事にすること。
名誉は他人に自分が認められることで得られるもの。
「自分が認められたい欲求(自分を認めてほしい!)」が、
承認欲求ですね。
つまりマズローの承認欲求は、
先の「あなたはどう生きたい?」が反映されてくる段階です。
3段目で出てきたソーシャルネットワークやオンラインゲームは、
4段目の欲求もみたせる可能性があります。
だから(これまた金銭的要素を抜きにしても)、
「一度はまると抜け出せない」ものなのです。
マズローの基本欲求1段目から4段目までは、
欠けているものをみたしたい「ニード」と表現されます。
そして欠けているものをみたそうとするとき便利なものが、
先程から横に寄せておいた金銭です。
金銭がないとみたせないニードはたくさんあります。
「お金がなくて食べられない(生理的欲求)」が代表ですね。
1段目の生理的欲求と2段目の安全欲求の欠けに対しては、
国がある程度の予算を設けて介入しています。
それが後でおはなしする生活保護です。
でもそれ以上は自力でニードをみたす必要があります。
手っ取り早く欠けをみたすために便利なものが「お金(金銭)」なので、
金銭さえあれば自分のしたい暮らしができそうですが…。
ちょっと待ってください。
お金だけでは、手に入らないものがあります。
それが、マズローの5段目のおはなしです。