2 「健康」とは:(1)「生きる」ために[補足1]
10代における「学校」という社会の特殊性が、
自殺原因に関係する…というおはなしをしました。
「学校」と健康について、少し補足しておきましょう。
学校保健安全法(学校感染症)についてのおはなしです。
学校は同世代の子どもたちが長時間過ごす場所。
そこに感染力の強い微生物が入り込むと、
あっという間に広がる可能性があります。
病原性いかんによっては、生命すら奪われてしまうかもしれません。
そこで、特定の病気にかかったことが分かったら
どんなに元気でも「出席停止!」にすることにしました。
出席停止を命じる人は校長先生。
「特定の病気」の中身は、
学校保健安全法施行規則に書いてありますよ。
(厚生労働省による保育所感染症対策ガイドライン:
本文3ページから5ページのところに学校保健安全法施行規則引用あり)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf
「特定の病気」は、大きく3つに分けてあります。
「治るまで、出席停止!」が第一種。
「決まった時期すぎるまでは、出席停止!」が第二種。
「お医者さんがオーケー出すまで、出席停止!」が第三種です。
第一種は一番重い組ですね。
「エボラ出血熱」「クリミア・コンゴ出血熱」「痘瘡(天然痘)」
「南米出血熱」「ペスト」「マールブルグ病」「ラッサ熱」。
ここまでは感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
(以下、感染症法)の「一類」にあたります。
そして「急性灰白髄炎(ポリオ)」「ジフテリア」
「重症急性呼吸器症候群(SARSコロナウイルスによるもの)」
「中東呼吸器症候群(MERSコロナウイルスによるもの)」
「鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9型のもの)」。
こちらは感染症法の「二類」から結核を除いたものです。
だから「学校保健安全法で『出席停止!』の第一種は、
感染症法の一類と二類から結核を除いたもの」ですね。
除かれた結核が入るのは「第二種」なのですが…。
病気ごとに出席停止期間が違うため、ちょっと理解が大変なところ。
ここに含まれる病名だけを先に並べておきます。
「結核」「髄膜炎菌性髄膜炎」「水ぼうそう」「風疹」「麻疹」
「咽頭結膜炎(プール熱)」「百日咳」「流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)」
「インフルエンザ」です。
具体的内容の確認は、次回始めていきますよ。