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12 各論7:呼吸(中枢・精神):⑧うつ・双極性障害の薬(6)

2024年4月25日

パロキセチン塩酸塩水和物の併用注意薬ですね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058794

併用薬の効果が強まる可能性があるものが増えました。

出血(傾向)が慎重投与対象に含まれたせいですね。

 

併用薬の効果が弱まるものとして

抗不整脈のジゴキシンと

抗悪性腫瘍(乳がん)薬のタモキシフェン。

タモキシフェンはエストロゲン受容体の拮抗薬ですね。

 

併用薬の効果が強まるものとしては

同じセロトニン作用があって

セロトニン症候群を起こす可能性があるもの。

選択的セロトニン受容体阻害薬や

MAO阻害効果のあるメチレンブルー、

リラックスできるお茶の成分

セントジョーンズワートの名前もありますね。

パロキセチン塩酸塩水和物と代謝酵素が同じものとして

抗不整脈や三環系抗うつ薬、β遮断薬。

特にβ遮断薬のメトプロロール酒石酸塩では、

高度の血圧低下が起こる危険性がありますよ。

代謝酵素が同じフェノチアジン系の薬やリスペリドンでは、

悪性症候群の可能性があることをお忘れなく!

あとは多動性障害の薬アトモキセチンの効果も

併用で強く出てしまいますね。

 

追加された慎重投与対象「出血」に対応して、

止血阻害薬や出血傾向を示す薬も、

併用で効果が強く出てしまうため併用注意になります。

止血阻害薬はアスピリンやワーファリン、

非ステロイド系消炎鎮痛剤(NASIDs)。

出血傾向を示す薬としては

フェノチアジン系や三環系抗うつ薬が当てはまります。

 

本剤の効果が弱まる併用薬は、

抗てんかん薬フェニトイン、フェノバルビタール、

抗結核薬リファンピシン、

抗ウイルス薬リトナビルやホスアンプレナビル。

いずれも代謝酵素誘導で出てくる名前ですね。

 

本剤の効果を強める併用薬は、

抗不整脈のキニジンや消化管潰瘍薬のシメチジン。

どちらも代謝酵素が同じで拮抗関係になるからです。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20240425更新)