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3 憲法・法律:(3)民法レベル[補足4]

2019年11月20日

労働基準法の「ヒトの心身に過度な負担をかけない」ための定めの続き。

夜間業務についての定めと、

業務から生じた負傷・病気・療養についての定めについてのおはなしです。

 

たとえ1日8時間の範囲内であっても、

午後10時から午前5時

(厚生労働大臣が認めるときには午後11時から午前6時)に働いたとき、

そのお給料は2割5分以上割り増しになります。

これは

「本来寝てるはずの時間なのに…

心身共に無理して働いてくれてありがとうね!」の金銭反映です。

 

普段夜型の人にとっては「無理してないのに…ラッキー!」かもしれませんが。

ヒトの心身にとって、この時間に働くことは

体内の睡眠サイクルはじめ

各種ホルモン・神経の働きを害していることに他なりません。

 

若いうちは「体は辛くないし、お金はがっぽり!夜勤万歳!」と思っていても、

30歳を超えるころには目に見えて疲れが取れなくなってきます。

完全な昼夜逆転ではなく、

「日勤も夜勤も…」ではなおさらです。

 

職務の内容上、夜勤を完全に避けるのはできないことですが。

「心身には確実に負担がかかり、たまっている」ことを忘れないでくださいね。

 

だから(原則満15歳未満は労働禁止で、)

満18歳未満の夜間労働は禁止されていますよ。

例外として満16歳以上の男性では入替制の夜間労働を認めています。

これは自動化が進む前の自動車組み立て工場のライン工

(途中で作業を止められない)をイメージすれば分かりやすいですね。

 

そんなことは起こらない方がいいのですが…

労働中に、働いていたせいでけがをしたり、病気になったりして、

さらには療養が必要になることがあります。

このとき、勤め先(使用者)は、

自分の費用で療養(や療養費の負担)をしなくてはいけません。

「『ダメになったらポイ!』なんて許さないぞ!」という定めです。

 

ここで思い出してほしいのが、労働契約の基本スタイル。

働くこと(労働)に対して、給料(賃金)を支払う関係でした。

けがや病気で働けなくなってしまったら…お給料、もらえません。

これでは生きるためにけがや病気をおして無理に働いて、

ヒトの健康が取り返しのつかないほど害されてしまう可能性があります。

 

「それじゃだめだ!ちゃんと治療に専念してもらおう!」

 

だから労働基準法は、勤め先に対して

お給料の約6割(平均賃金の6割)を休業補償として払うように命じています。

これなら、一安心ですね。

 

他にも労働者の安全・衛生についてはいろいろなことを決めておく必要があります。

以前は安全・衛生についても労働基準法に書いていましたが、

少々内容が増えてきたので、

労働安全衛生法として独立させてしまいました。

ここについても、あとで補足の形でおはなししますね。

 

もう少し労働基準法のおはなしは続きますよ。