5 脳神経系と内分泌系のおはなし(4)
「見える」ために必要なもののおはなし。
網膜について説明しますね。
網膜はカメラでいうところのフィルムにあたるもの。
カメラのフィルムは記憶媒体ですが、
網膜は「画像を電気信号にするところ」です。
記憶をするのは、脳のお仕事ですね。
画像をどうやって電気信号にするのかというと、
網膜には明るさを感じる「桿体細胞」と、
色を感じる「錐体細胞」があります。
これらの細胞が瞬時に画像を電気信号に変え、
網膜につながっている視神経が脳へと情報を伝達しているのです。
桿体細胞はロドプシンと言いますが、
ロドプシンの材料はビタミンAです。
生化学「9 ビタミン・ミネラル」で、
ビタミンAのおはなしをしましたね。
あのとき「視覚に関係が深いよ~」と言っていたのは、
ここのおはなしです。
ビタミンAの欠乏症は夜盲症。
暗くなると見えない…「鳥目」とも言われていた状態ですね。
ビタミンAが足りないので、桿体細胞も足りない。
桿体細胞が足りないので、
わずかな光では画像として感じ取ることができずに
「真っ暗…」と情報が伝わってしまうせいです。
普通の人なら、急に暗くなっても
徐々に目が慣れて見えるようになってきます。
夜盲症では光を感じ取るロドプシン不足ですから、
「徐々に目が慣れる」過程はありません。
錐体細胞は、3種類。
赤錐体細胞、青錐体細胞、緑錐体細胞の3つです。
この3種類で、フルカラーの画像を電気信号化しています。
…不思議な感じがしますか?
「光の3原色」が分かれば、ちゃんと理解できますよ。
赤と緑を混ぜると、黄色になります。
赤と青(濃い青)を混ぜると、紫になります。
青(濃い青)と緑を混ぜると、水色になります。
赤と緑と青(濃い青)を混ぜると、白になります。
これなら、3色でフルカラーに対応できますね。
普段使う絵の具や色鉛筆では、
同じ色を使っても再現できませんよ。
「光を重ねると明るくなる」ことを利用しないといけません。
再現したいなら、懐中電灯を使いましょう。
マーカーで電球面に色を塗る
(もしくはセロファンをかぶせる)ことで、
色のついた光を作りましょう。
それから3色を重ねれば、ちゃんと集まったところが白になります。
3色は準備できなくても、
2色を重ねて確認できれば確実に理解は進みますからね!
次回は、聴覚(聞く)のおはなしに入りますね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220923更新)