試し読みページ

https://5948chiri.com/readtrial/

10 各論5:体温(感染・免疫):⑩がん(悪性腫瘍)(3)

2023年6月3日

がん(悪性腫瘍)に効く薬についておはなししてきました。

自分の細胞がおかしくなってしまうと、

薬で何とかするには

細胞分裂以外はどうしても狙いにくくなります。

そして細胞分裂を狙うと…

今度は正常な細胞分裂までも邪魔されてしまうのです。

 

細胞分裂が盛んなところ、ちゃんと思い出せますか?

 

胎児はもちろん、

成人してからも舌の味蕾、赤血球、小腸上皮細胞は

すぐに作り直しが必要でしたね。

これらが、がんの治療(薬物療法でも、放射線治療でも)で

ダメージが出てしまうところです。

 

特に赤血球は核がなく、自分では細胞分裂できません。

骨髄の造血幹細胞から作ってもらう必要がありましたね。

骨髄はがんに効く薬が抑制してしまうところです。

だから赤血球不足の貧血は重大問題となります。

そのまま全身細胞の酸素不足につながってしまいます。

 

しかも味蕾が変で味覚異常、

小腸上皮細胞が変で栄養吸収異常では、

全身細胞に必要な栄養分まで不足してしまうかもしれません。

 

「薬の働きで全身に何が起きているかを理解していますか?」

だから看護師国家試験でよく出題されるのですね。

 

以上が「体温」に深く関係してくる分野に効く

薬のおはなしでした。

消化器系、内分泌系、

感染・免疫と結構広範囲になりましたね。

次回からは

「呼吸」に関係の深いところに効くお薬のおはなしです。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230603更新)