10 核酸・遺伝子のおはなし(1)
核酸・遺伝子のおはなし、スタートです。
スタートなのですが
…どうしてもとっつきにくい分野ですね。
おそらく、「見えない」ことが原因だと思うのです。
糖質なら砂糖やご飯。
タンパク質ならお肉やお魚、脂質なら油やナッツ類。
ビタミン・ミネラルや水もイメージわきますよね。
でも「核酸・遺伝子」といわれても…
良くて「核の中にある設計図」どまりのはず。
この状態では、いかんせん理解が進みません。
だから、このページでは
「たとえ」をたくさん使っていきます。
そのほうが、この分野が身近で分かりやすいものになります。
でも注意。
国家試験(や模擬試験)は「たとえ」で聞いてはくれません。
だから「たとえ」で理解したら、
ちゃんと正式名称のほうでも理解しましょうね。
では、改めてスタート。
「核酸」というのはDNA、RNAのことを指します。
どちらも私たちの設計図(遺伝情報)を記録しておくものです。
「遺伝子」というものは、
設計図に書いてある内容(情報が載っている部分)ですね。
遺伝子についての説明は、
もうちょっとおはなしが進んでからすることにしましょう。
まずは、DNAとRNAの関係について。
核の中に遺伝情報をしまっておく…というときに使われるのは、
DNA(デオキシリボ核酸)です。
1つの細胞に必ず1セット入っている遺伝情報(設計図)は、
DNAという素材に書かれている、ということですね。
DNAについて覚えておいてほしいキーワードは
「丈夫、大事、2枚で1セット」です。
キーワードについての説明をしてしまいますよ。
DNAに生物の情報(設計図)が書かれているということは、
この設計図が
汚れたり破れたりすると困ってしまうということです。
だから、『大事』にする必要がありますね。
設計図に書いてある情報は、
簡単にまとめると「タンパク質(アミノ酸)のつなげ方」です。
タンパク質はいろいろなものの材料になっていましたよね。
筋肉・骨、酵素、神経伝達物質…思い出せなかった人は、
ちゃんと「6 タンパク質代謝」を復習ですよ。
特に「酵素」は体の中のいろいろな反応を担当してくれるもの。
消化にも酵素が必要ですし、
ATPを作る代謝にも酵素が必要ですよ。
そんな大事なことが書かれている設計図、
いざ設計図をもとにタンパク質をつなげようとしたときに
傷や汚れが付いたら大変です。
だから「使う」ときにはコピーをとって、
そのコピーをもとにタンパク質を作っていきます。
そのコピーが、RNAです。
正確に言えばmRNAですが
…そこについては次回説明しましょう。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220530更新)