11 ホルモンのおはなし(13)

前回の女性ホルモンのまとめから始めましょう。

女性ホルモンは「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類があります。

それぞれは下垂体前葉から出る卵胞刺激ホルモン(FSH)と

黄体形成ホルモン(LH)のコントロールを受けています。

女性の体温は二相性になっています。

卵胞ホルモンが多く出て卵子を発育させるのが低温相。

黄体ホルモンが多く出て、子宮内膜を分厚くするのが高温相です。

2つの相の切り替わりは「LHサージ」と月経です。

以上、前回のまとめ。

改めて、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの働きを確認しましょう。

卵胞ホルモンは性周期を維持し、

黄体ホルモンは卵胞の成熟と排卵を止め、乳腺を発育…これが一般的な説明ですね。

 

性周期自体は前回の体温二相性で説明した通り。

黄体ホルモンも無関係ではありませんが、性周期の中ではあくまで補助的役割です。

黄体自体の特殊性もその理由。

黄体は、排卵終了後の卵胞(外側の部分)が変化したもの。

しばらくの間は黄体としてホルモンを産生していますが、

もっと変化するとホルモンを作らない白体になってしまいます。

黄体ホルモンは排卵後受精の可能性がある間、

子宮内膜を分厚くして受精卵の到着に備えています。

受精卵ができるかどうかわからない間は、次の卵子を育てる必要はありません。

これが「卵胞の成熟と排卵を止め」の中身です。

 

いきなり各ホルモンの働きを説明すると分かりにくいところなので、

先に体温の二相性から理解してくださいね。

あとに続く受精から発生のおはなしは、解剖生理や母性看護にお任せしますよ。

 

骨に対しての性ホルモンの影響については、ある程度知っておいたほうがいいでしょう。

男女ともに、性ホルモンは「骨を強くする」働きがあります。

でも「骨を強くする」方法が違いますよ。

男性ホルモンは

骨の中に蓄えるカルシウムをたくさん詰め込むことで骨を強くします。

 

女性ホルモンの卵胞ホルモンは、

骨芽細胞を応援して破骨細胞を抑制することで骨を強くします。

女性ホルモンの黄体ホルモンは、骨に対して目立った作用はありません。

 

性ホルモンは子孫を残すためのホルモンです。

やがて、生殖に適さない年齢がやってきます。

性ホルモンは次第に分泌量が減り、やがて分泌が止まります。

これが女性の閉経です。

閉経後、骨芽細胞を応援し破骨細胞を抑制していた卵胞ホルモンがなくなります。

こうなってしまうと、骨は今までのような強度を保てません。

だから閉経後の女性で骨粗鬆症が大問題になるのです。

 

ちなみに男性でも性ホルモン分泌量自体は加齢によって減少します。

でも骨に対する働き方の違いから、

男性では骨粗鬆症がそこまで問題になることはありませんね。

 

さて、性ホルモンの最後は胎盤ホルモンです。

受精卵が母体から栄養と酸素を得るために作る「胎盤」で作られるホルモン。

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)といいます。

黄体ホルモンを出してもらうことで、妊娠に適した環境を維持するホルモンです。

尿で分かる市販妊娠検査薬は、

尿中にこのhCGが出ているかを見ていますよ。

ただ、妊娠していなくても特定の病気(胞状奇胎や絨毛上皮腫)ではhCGが出ますので、

「必ずしも妊娠しているわけではない」ことには注意ですね。