11 ホルモンのおはなし(2)
恒常性維持にホルモンがどう作用しているのか。
そのキーワードが「フィードバック」です。
単に言葉で説明してもイメージしにくいので、
とある暑い日を想像してみましょう。
エアコン(冷房)のスイッチを入れたとします。
…このとき、
一発で希望の温度になることはとても珍しいことです。
ふつうは「寒すぎる!」か「まだ暑い…」になります。
「まだ暑い…」とき、
エアコンの設定温度を下げようと思いますよね。
この『最初の行動のきっかけと同じ方向でさらに強化する』のは、
「正のフィードバック」といいます。
「暑いから温度を下げよう」に
「まだ暑いから温度を下げよう」ですから、
同じ方向に、さらに強化ですね。
「寒すぎる!」ときには、
エアコンを切るか設定温度を上げますね。
これは『最初の行動のきっかけと逆の方向に働く』です。
これを、「負のフィードバック」といいます。
「暑いから温度を下げよう」が
「寒いから設定温度を上げよう(エアコン切ろう)」ですから、
逆の方向に働いたことが分かるはずです。
私たちの恒常性は、主に負のフィードバックで守られています。
一応、正のフィードバックは「LHサージ」で出てきますが、
基本は負のフィードバックです。
例外の「LHサージ」の名前だけは、
頭の片隅に置いておいてくださいね。
調節の仕組みが分かったところで、もう少し詳しく。
ホルモンは何からできているかで大まかに分類できます。
ペプチドホルモン、アミノ酸ホルモン、
アミンホルモン、ステロイドホルモンです。
…なんとなく、耳にしたことのある言葉ばかりですね。
それがすごく大事なところです。
何も浮かばなかった人は、
「5 タンパク質」、「6 タンパク質代謝」、
「7 脂質」を見直してきましょう。
このうち、特に覚えてほしいのは「ステロイドホルモン」です。
具体的には、副腎皮質ホルモンと性ホルモンが含まれます。
別の分類方法もありますよ。
それが「脂溶性ホルモン」と「水溶性ホルモン」です。
この分け方、ビタミンのところでしましたよね。
ビタミンのところでは、
過剰症と欠乏症のなりやすさの判断につかいました。
ホルモンのところでは
「細胞膜を抜けられるか」の区別に使います。
復習をしておきましょう。
細胞膜は何で出来ていましたっけ?
細胞膜は、
複合脂質による脂質二重層と膜タンパク質からできていましたね。
どう違いが出てくるのか、次回確認していきますよ。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220607更新)