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14 尿と腎臓のおはなし(5)

2022年7月27日

今回は人工透析の基本についておはなしますね。

詳しくは、ネットや本で理解を深めてみてください。

腎臓に病気がある方向けのパンフレットも各種ありますよ。

 

まず、人工透析は「血液から尿を作る働き」を

代わりに機械にしてもらうこと。

腎臓の働きが悪くなってしまったので、

老廃物(不要物)を

体の外に出すために必要になります。

本当はここで浸透圧の話が必要になりますが…

できる限り簡単に説明しますよ。

 

血液を、チューブで体の外に出して、

「半透膜」の管を通します。

半透膜というのは、

一定の物だけを通し、それ以外のものを通さない膜。

理科の時間に、

セロファンで実験をした人がいるかもしれませんね。

ここでは、水と老廃物(不要物)を通して、

赤血球やアミノ酸を通さない膜をイメージしてください。

老廃物(不要物)としては、

尿素をイメージしておきましょう。

 

半透膜の管を通っていくうちに、

水と老廃物は管の外側に出ていきます。

もちろん、そのままでは

血液から水分が抜けすぎてしまうので、

ちゃんとpHを調節してから

(血管に入れるための)管に戻します。

あとは中の液体を血管(体の中)に戻せばおしまい。

これが、人工透析の原理です。

 

簡単にできるように説明してきましたが…

腎臓のようにはうまくいきません。

機械に通すことのできる血液量が限られるため、

時間がかかります

1回あたり数時間、

機械のそばにじっとしていないといけません。

しかも老廃物(不要物)は

細胞が活動している以上増え続けます。

結果、2~3日おきに病院に行って

人工透析を受けなければなりません。

病院に通う時間も含めるとすごい負担ですよね。

しかもその時間働くことができない以上、

金銭負担もばかになりません。

さらに、透析を受けていない時間も

「シャント」管理に気を遣わなければなりません。

「シャント」というのは、

手術をして腕の動脈と静脈をつないだもの

こうすることでそこに流れる血液量を増やして、

たくさんの血液を機械に通せるようにするのです。

「シャント」が使えなくならないよう、

日常生活にもいろいろな制限がかかります。

シャントの腕を下にして寝ない、

シャントの腕で荷物を持たない…。

腎臓が悪くなってしまうと、

老廃物(不要物)を体の外に出すだけでも一苦労なのです。

 

シャントを使わない「腹膜透析」もあります。

でもすべての人が選べる手段ではありません。

しかも腹膜透析も数年でシャントを必要とする

人工透析が必要になってしまいます。

残念ながら、各種負担の根本的解決にはなりませんね。

 

こんなに苦労しても、

前回まとめた腎臓のほかの機能の代わりはできません。

だから、早く腎臓の異常には気付いてほしいのです。

次回は、尿に出たら危ないものについておはなししますよ。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20220727更新)