2 エネルギー代謝と化学式のおはなし(2)
前回2つの代謝についておはなししました。
今回はもう少し細かく見ていきますよ。
まず、用語説明。
「同化」「異化」について説明します。
同化というのは、エネルギー(ATP)を使って、
自分にとってほしいものを作り出すことです。
異化というのは、ものを分解して
エネルギー(ATP)を取り出すことです。
本当はもう少し難しい概念ですが、
ここではまず言葉に慣れてください。
そして、ATPを使うのか、ATPを手に入れるのかを理解してください。
そこまで分かれば、先に進めますよ。
最初は、イメージしやすい広い意味での代謝から始めましょう。
「栄養等を取り入れる」ためにはどうしたらいいですか?
口に入れて、細かくしないといけませんね。
小腸が、吸収してくれないといけませんね。
もちろん、不要になったものを捨てないと新しいものは取り込めません。
大腸から便(や腎臓からの尿)を出さないといけませんね。
以上の「消化⇒吸収⇒代謝⇒排泄」の流れを、ちゃんと意識しましょう。
薬の代謝(薬物動態)もこの流れに従います。
薬のときには「代謝」の前後に「肝臓」が入ってきますね。
肝臓の名前が出てきたので、大事な臓器(と細胞)のおはなし。
ここでは「肝臓」「筋肉」「脳」「脂肪細胞」についておはなしします。
肝臓は消費・貯蔵・合成・分解の場所です。
ここ、すっごく大事です。覚えましょう。
消費や貯蔵までなら他のところでもできますが、
「合成と分解」のどちらもできるのは肝臓以外ありません。
「合成と分解」と見たら、すぐに肝臓を思い出してください。
貯蔵の形は最初はグリコーゲンを覚えましょう。
グリコーゲンは、糖を貯めておく時の形です。
肝臓のそばにある膵臓から、
血液中の糖の濃度をコントロールするホルモンが出ますよ。
血糖値を下げるインシュリン、血糖値を上げるグルカゴン。
大事なので、また出てきますからね。
筋肉は貯蔵と消費の場所です。
グリコーゲンや脂肪、クレアチンリン酸などの形で
ATPを取り出せるようにしています。
ATPは細胞のエネルギー。
これがないと、筋細胞は収縮できず、筋肉が動けませんよ。
脳は消費の場です。
…はい、消費するだけです。
しかも使える(食べられる)のは原則、血糖(グルコース)のみ!
…血糖を維持することがいかに大事か、なんとなく分かってくれますか?
一応非常食としてケトン体を食べることもできます。
同様に血糖が主食の赤血球は、非常食もありません。
脂肪細胞は貯蔵の場。
細胞のうち、脂質貯蔵に特化した細胞を「脂肪細胞」と呼びます。
これは臓器ではありませんが、
脂質の貯蔵場所として重要なのでここで紹介しました。
広い意味での代謝に関連する臓器(等)のいくつかを紹介しました。
これから、これらの臓器(等)はしばしば出てきますからね。
次回は、狭い意味での代謝…細胞レベルのはなしに入りますよ。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220220更新)