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10 各論5:体温(感染・免疫):⑧過敏症(5)

2023年6月3日

点眼薬のビタミンつながりでもう1つ。

「目が疲れたー!(眼精疲労)」というときに使う点眼薬に、

シアノコバラミン(サンコバ)があります。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00053103

他の目薬とは違う、赤色がかった点眼薬です。

その特徴的な色は、ビタミンB12(シアノコバラミン)の色。

ピント調節をしてくれる毛様体筋

(水晶体の厚みを変える筋肉)の

微細な調節を助けてくれます。

でも、点眼薬に頼りすぎることなく

意識的に遠くを見て

毛様体筋をマッサージすることをお忘れなく!

 

もちろん、点眼薬以外にも

ビタミンB12が薬として使われることがあります。

巨赤芽球性貧血が典型例。

赤血球はじめ血球減少でも使われる理由は、

「細胞分裂!」をキーワードにして

生化学でおはなししましたよ。

「胃切除の内因子不足による貧血」も

ちゃんと復習しておきましょうね。

 

白内障の手術をするときには、

瞳孔を広げる目薬(散瞳薬)が使われます。

例えばアトロピン。

https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/medley-medicine/prescriptionpdf/530304_1311706Q2022_1_05.pdf

抗コリン作用(アセチルコリンを邪魔)がありますね。

 

逆に瞳孔を狭める目薬(縮瞳薬)もありますよ。

一例がピロカルピン塩酸塩(サンピロ)。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057469

こちらは緑内障のお薬です。

 

白内障の手術後には

非ステロイド系消炎鎮痛剤の点眼薬を使うことがあります。

例えば、ジクロフェナクナトリウムの入ったジクロード。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052683

シクロオキシゲナーゼを邪魔することで

プロスタグランジンができませんから、

痛みをはじめ炎症が治まります。

ただし、角膜炎や角膜潰瘍等の危険はありますので

忘れないでくださいね。

禁忌はこのお薬に過敏症の人ですよ。

 

過敏症(アレルギー)に使うお薬を紹介してきました。

今までは、免疫系は働きすぎているものの、

体の外の物を「異物!」と認定していました。

ここからは、

免疫系が自分の体を「異物!」と認定してしまう異常、

「自己免疫疾患」に使うお薬の紹介です。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230603更新)