5 タンパク質のおはなし(2)
前回アミノ酸についておはなししました。
いよいよ「タンパク質」についてのおはなしです。
タンパク質はただアミノ酸が集まったわけではありません。
アミノ酸が立体的に、意味を持って組み上がることが必要です。
そのための設計図は、核の中のDNAに書いてあります。
細胞小器官の「核の中に私たちの設計図」とはこのことです。
DNA主役のおはなしはもう少し後で。
今は、タンパク質が主役ですよ。
設計図通りにアミノ酸が並んだものを
「タンパク質の1次構造」といいます。
この状態ではアミノ酸が直線状に並んだだけです。
タンパク質の立体構造について考えるとき、
千羽鶴に対応させるとイメージしやすくなります。
1次構造は、折り紙の束から1枚の折り紙を取り出した状態。
まだ立体感は見えてきません。
アミノ酸は直線状につながると、
特定のアミノ酸が規則的に並ぶことで自然と立体化してきます。
この立体化が「タンパク質の2次構造」。
コイルのような形になったものをαヘリックス(αらせん)、
板のような形になったものをβシート(β構造)と呼びます。
この2つの立体、名前を覚えてくださいね。
2次構造を説明するときのキーワードですよ。
千羽鶴の例えでは、基準になる折り線を付けたくらいです。
しっかり元の形ができていないと、きれいな鶴は折れませんね。
2次構造はさらに折れ曲がって、
だんだん働き(機能)を持つようになってきます。
これが「タンパク質の3次構造」。
千羽鶴の例えでは、鶴を1羽折りあがったくらいです。
折り鶴なら、しっかり折り目を付ければ崩れませんが。
タンパク質にとっては、もう自然にできる形ではないので
放っておくと形が崩れてきてしまいます。
だから何とかして止めておくところが必要になります。
「何とかして止める」のが、
教科書等に書いてある「~結合」です。
たくさん種類がありますが…
まず「SS結合(ジスルフィド結合)」から覚えましょう。
アミノ酸の側鎖にある硫黄(S)どうしが
手をつなぐことでできた結合です。
…前回、含硫アミノ酸を覚えました。
それは、このSS結合をしてくれる大事なアミノ酸だったからです。
そして3次構造のユニットをたくさん集めたのが
「タンパク質の4次構造」。
千羽鶴なら、糸を通して完成!です。
ただ集めただけではありませんよ。
機能するように…役目を果たせるように集める必要があります。
4次構造の具体例については、次回おはなしすることにしましょう。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220326更新)