11 各論6:呼吸(呼吸器系):気道(4)

気道でも、炎症をしっかり抑えるならステロイド剤。

フルチカゾンプロピオン酸エステル(フルタイド)などが使われます。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00044715

最初に注意。

ステロイド剤は強力に炎症を抑えます。

でも、呼吸が苦しいときに気道を広げて呼吸を楽にするものではありません。

あくまで「狭くならないように」使う薬ですからね。

 

禁忌は本剤への過敏症に加えて、

症状が悪化する可能性のある(潜在性)真菌症や有効抗菌薬のない感染症の人。

禁忌には入っていませんが、

妊娠・妊娠可能性のある人や授乳中の人も危険です。

動物実験で催奇形性や発育抑制、乳汁移行が報告されています。

 

慎重投与対象は症状が悪化する可能性のある反復性鼻出血や糖尿病の人。

併用注意は抗ウイルス薬のリトナビルです。

フルチカゾンプロピオン酸エステルの代謝酵素を強く邪魔するため、

(フルチカゾンプロピオン酸エステルの働きが強く出て)

クッシング症候群が出る可能性がありますよ。

 

気道を通る空気には、異物が混ざっていることもあります。

そのまま肺胞に向かってしまっては大変なので、

繊毛と粘液でからめとって外に出します。

これが「痰」ですね。

痰自体は大事な働きですが、出そうで出ない痰はつらいもの。

だから薬(去痰薬)の出番です。

 

分泌液をたくさん出して、とにかく異物追い出しを援助する薬が

ブロムヘキシン塩酸塩やアンブロキソール塩酸塩(塩酸アンブロキソール)。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066792

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052931

どちらも、薬に対して過敏症が出たら使えません。

 

分泌液がたくさん出れば、

繊毛はどんどん異物を追い出してくれるはずなのですが…。

感染等により膿(うみ:役目を果たした白血球と異物の集まり)が

出てしまうと、なかなかでない痰になることもあります。

そんなときには、

粘度を下げる(粘り気を減らす)アセチルシステイン(ムコフィリン)。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00054283

分泌液の中のSS結合(ジスルフィド結合)を切ることで、

分泌液の変性を起こし、痰をやわらかく出しやすくします。

SS結合の名前は、生化学のタンパク質立体構造のところでおなじみですね。

立体構造の維持に必要な、S(硫黄)を含んだ含硫アミノ酸、思い出せましたか?

気道の異物に関係するおはなしとして

「せきを鎮める薬(鎮咳薬)」もありますが、そちらは中枢ブロックへ。

咳中枢をコントロールするおはなしになります。

 

くしゃみも気道異物の追い出しに役立ちますが、

追い出す異物の場所は鼻腔から咽頭付近。

点鼻薬(過敏症)のところでおはなしし終わっていますよ。