6 タンパク質代謝のおはなし(5)
アミノ酸からできるもの、続きます。
今回は「生理活性アミン」のおはなし。
まずアミンというのは
アミノ酸からカルボキシル基(COOH)が外れたもの。
アミノ酸の構造を忘れていた人は、後で見直しておいてくださいね。
そのアミンのうち、
わずかな量で体に何らかの反応(生理活性)を示すものが
「生理活性アミン」と呼ばれます。
生理活性アミンにはたくさんの物が含まれます。
とりあえず有名なところだけご紹介。
ヒスタミン・セロトニン・ドーパミン・γ-アミノ酪酸(GABA)です。
ヒスタミンは…以前おはなししましたね。
細胞とアレルギーのおはなし、花粉症の説明をしたあそこです。
異物追い出しのために、鼻水や涙を出した放水車でした。
セロトニンは神経伝達物質の1つ。
神経(脳をイメージしてくれればいいですね)は、
他の細胞に情報を伝えるときにボールのような神経伝達物質を使います。
どのボール(神経伝達物質)を使うかは、
神経細胞の担当によって変わってきます。
このセロトニンは睡眠行動や体内リズムに関係してきますよ。
ドーパミンも神経伝達物質の1つ。
こちらはホルモンのところでも出てきます。
興奮状態(胸ドキドキ、手に汗かいちゃう…)を担当しています。
γ-アミノ酪酸(GABA)も神経伝達物質ですね。
ただ、他の神経伝達物質とくらべて耳なじみあるのでは?
それもそのはず。
飲料水やお菓子に良く配合されています。
γ-アミノ酪酸(GABA)の担当は興奮抑制。
ドーパミンの興奮状態は必要ですが、
あまりに長く続くと疲れてしまいます。
だから興奮抑制のγ-アミノ酪酸(GABA)の出番。
「リラックスタイムに!」とお菓子に配合されるのも、
納得できますよね。
神経伝達物質については、
生理学(脳・神経)のところでまとめておはなしできるはずです。
このように。
アミノ酸からは神経の働きを助けるものも出来てきます。
と、いうことは。
変な食事制限ダイエットをして、
タンパク質(イメージしやすいのは肉や魚)をとらないと、
これらの働きもおかしくなってしまうのです。
前回おはなしした核酸(DNA・RNA)のもとしかり、
酸素と結びつく色素「ヘム」のもとしかり。
タンパク質のもとアミノ酸から、
私たちヒトが生きるために不可欠なものがたくさん作られています。
「必須アミノ酸だけ気を付けていればいいやー」ではありません。
食生活はバランスよく!
このおはなしは、ビタミンのところでも出てきますからね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20220403更新)