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3 ちょっと寄り道:サイトカインストーム(2)

腫瘍壊死因子(TNF)も各種のタイプがありますが、

これまた省略。

その中でよく出てくるのは「TNF-α」ですね。

主にマクロファージが産生し、

がん化した細胞を「壊死」させる働きがあります。

「壊死」という言葉で説明されることが多いのですが…。

不要になった(働きがおかしくなった)細胞を処分しているので、

一般的な壊死の「ネクローシス」ではなくて、

カエルになるためにオタマジャクシのしっぽがなくなるような

(個体の役に立つプログラム死の)「アポトーシス」ですね。

他にも炎症反応を促進して、Bリンパ球に抗体を作らせる働きもありますよ。

あまり腫瘍壊死因子が働きすぎてしまうと…

自己免疫疾患や敗血性ショック、

播種性血管内凝固症候群につながってしまうかも。

だからこそ、腫瘍壊死因子に対する抗体が

自己免疫疾患に使われる

「インフリキシマブ(抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体)」。

関節リウマチやクローン病、潰瘍性大腸炎の

「最後の手段」として使うお薬です。

 

残ったのが白血球の情報伝達の主役インターロイキン(IL)。

これまたたくさんあるので、IL-1、IL-6、IL-12に限定でしたね。

主にTリンパ球(特にヘルパーT細胞:Th)から出ますよ。

 

最初はIL-12から。

IL-12はNK細胞を刺激する(元気にする)働きがあります。

NK細胞は(先程インターフェロンで確認したように)

変になった自分の細胞を処理してくれる細胞でした。

だから「ウイルスやがん等で変になった細胞対策、よろしく!」

という情報をNK細胞に伝えているのですね。

 

IL-6はマクロファージを刺激する(元気にする)働きがあります。

これまたインターフェロンで確認した通り、

マクロファージは貪食担当かつ抗原提示も可能。

さらには腫瘍壊死因子も作ってくれましたね。

「異物に対して、各種よろしく!

必要になったら、

炎症反応も促進しておいてね!」という情報の伝達です。

 

そしてIL-1は、

マクロファージ(単球)が主に作る急性期反応用のサイトカイン。

局所的に発熱させて、

白血球(と中にある酵素)が働きやすい環境を作ります。

炎症の4兆候の1つ「(局所的な)発熱」ですね。

集まった白血球たちが血管内皮にくっつきやすくなる働きもあります。