6 ウイルスの変異(3)
世界史で勉強したはずの「スペイン風邪(1918~1919)」は、
インフルエンザA型のH1N1亜型。
この「H~N~」という部分が
「抗原として働く部分のタンパク質の亜型(サブタイプ)」です。
1957年に「アジア風邪」が世界で大流行しましたが、
これはインフルエンザA型のH2N2亜型。
鳥に感染して不連続変異が起こったものです。
インフルエンザワクチンはまだできていませんでしたが、
仮に間に合っていても、
変異のせいで役に立たなかったものと考えられます。
そして1968年の「香港風邪」も世界的大流行になりましたが、
こちらはA型のH3N2亜型。
やっぱり鳥に感染して不連続変異が起こったもので、
これまたワクチンが間に合っていても役立たずだったはずです。
これらの歴史をふまえて…H1N1亜型
(1977年に当時のソ連で流行したため、いわゆる「Aソ連型」)、
H2N2亜型、H3N2亜型、
そしてH1N2亜型(中近東で2001年に流行)の4つが、
インフルエンザA型の予測選択肢。
現在、A型からはH1N1亜型とH3N2亜型が選ばれています。
「変異」から
「ワクチンの型予想」のはなしも理解できましたね。
さて、ここで新コロナちゃんを見てみましょうか。
新コロナちゃんは、RNAウイルスです。
変異、しやすそうですね。
ということは、一度薬やワクチン、抗体を作っても
役立たずになってしまうかもしれません。
これも「新型」ということを差し引いても、
新コロナちゃんの薬やワクチン対策が
なかなか進まない一因になっています。