4 体温のおはなし(1)血液・免疫(4)
2 白血球の異常
白血球は貪食担当(好中球、単球(マクロファージ))と、
リンパ球に大別できました。
リンパ球にはTリンパ球とBリンパ球がいて、
Bリンパ球は抗体を産生する液性免疫の担当。
Tリンパ球には抗原提示を受け取るTh2リンパ球
(ここからBリンパ球に命令)と、
Th2リンパ球の命令を受けて、異物に侵入された細胞を壊す
Th1リンパ球(細胞性免疫担当)がいました。
他にも命令なくTh1リンパ球の近い働きができるNK細胞や、
寄生虫に対応する好酸球などがありますが…。
まずは好中球、単球(マクロファージ)、リンパ球の
3つを確認してくださいね。
(1) 白血球(T細胞)の異常
白血球たちについて簡単に復習できたところで、
数と働きの増減原因についても確認していきましょう。
白血球の正常値は4000~8000個/㎕。
白血球数が増えたとき、真っ先に疑うのは感染ですが。
リンパ球が幼児期に増えるのは、
獲得免疫真っ最中だからなので生理的なもの。
好中球は出血・壊死発生のみならず、
温度刺激や運動後、妊娠などでも増えてきますよ。
白血球数が減ると、
外敵(異物)侵入に負けて病気になることが増えてきます。
例えば好中球が500個/㎕を下回ると、
「無顆粒球症」と呼ばれ、とても感染しやすくなります。
100個/㎕を下回ってしまうと、
「体に入ったら必ず発症!」という状態です。
原因は、もう少し後でおはなしする血液疾患が大半を占めます。
でも薬や放射線治療による減少のことを忘れてはいけません。
感染も重度になると、白血球数が減る原因になりえますよ。
それが敗血症。
ショックのところでは「感染ベースの急性循環不全」と紹介しましたね。
言い方を変えれば、
「感染症に対する制御不能な生体反応による、
生命を脅かす臓器障害」になります。
白血球の働きに注目してみましょう。
感染で白血球の働きが盛んになると、
白血球は応援を呼びます。
現場に早くたどりついてほしいので、
たくさん血液が流れてくるように血管を広げ、
組織に入り込みやすいように内皮の間を広げます(透過性上昇)。
…これ、末梢血管拡張と、
循環血液量低下につながりますよね。
無計画(制御不能状態)に白血球が応援を呼ぶと、
組織に向かう白血球は増えても、
生じた結果は血液中白血球減少とショック状態です。
数だけ多くても、
白血球の働きが不十分では思うように体を守れません。
だから私たちの体は感染時に体温を上げて、
白血球(とその中の酵素)が元気に働けるように応援します。
細胞と酵素のフルパワー活動温度は体内深部温。
表面近くでもフルパワーで働けるようにするには、
もう少し体温全体を上げる必要がありますね。
これが発熱(熱が上がった!)です。
さすがに熱が上がりすぎると悪影響が出てくるので、
体温中枢が適度にコントロールしてくれるはずなのですが…。
体温中枢がくるってしまうと、
高温で働けないところが出てきます。