10 各論5:体温(感染・免疫):⑤ウイルスに効く薬(3)
インターフェロン製剤を前提として使う薬もあります。
例えば、リバビリン(レベトール)。
ヒト肝炎ウイルスのC型(HCV)に効く薬です。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00059726
ウイルスのRNAポリメラーゼを邪魔します。
残念ながら、やっぱり禁忌も警告も多いですね。
動物での催奇形性や胎児死亡が報告されているので、
妊娠・妊娠可能性のある人には禁忌。
乳汁移行も動物で報告されているので、
授乳中も禁忌ですね。
しかも警告にあるように、
男性の精子・精巣にも影響が出てきます。
催奇形性や精液移行も否定できませんので、
避妊が必要になりますよ。
重い肝臓・腎臓障害でも
代謝・排泄不十分で血中濃度が高くなる可能性があります。
重大な副作用にもいろいろありますが、
血球(特に赤血球)が減る骨髄抑制が大問題。
異常ヘモグロビン症やコントロールできていない心疾患では、
赤血球不足の貧血から症状悪化の危険性があるので禁忌です。
自己免疫性の肝炎も、インターフェロンアルファと同様禁忌。
重いうつ病や自殺企図のある人(あった人)も、
インターフェロンアルファと同様理由で禁忌になりますね。
ヒト肝炎ウイルスには、A~Eまでの型があります。
A型とE型は飲食物経由なので、
地域と飲食物に注意すれば心配無用。
残りは主に血液で感染し、
D型は単独では問題になりません(B型と一緒に発症)。
だから医療従事者が注意するのは、B型とC型です。
HCVにはインターフェロンアルファとリバビリンが効きます。
でも、HBVにはこれといって効く薬がありません。
白血球たちを元気にして、
「変になった細胞を壊す」を頑張ってもらうしかありません。
白血球たちがフルパワーで働くためにできることといえば、
一次応答を終わらせてしまう「ワクチン」のおはなしですね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230503更新)