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12 各論7:呼吸(中枢・精神):④睡眠薬(2)

2023年11月30日

「短期」睡眠薬の例として、エチゾラム(デパス)のご紹介。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00060755

こちらも飲んだことのある人はいそうですね。

禁忌や妊娠・妊娠可能性のある人や授乳中の人、

小児に対する扱いはトリアゾラムと同じです。

トリアゾラムの原則禁忌だった呼吸機能の低下がある人は、

慎重投与対象に含まれています。

他の慎重投与対象は肝臓や腎臓に障害のある人、高齢者、小児、

衰弱している人や脳に器質的障害のある人ですよ。

これらは薬物の一連の代謝や、

呼吸抑制が起こったら大変なことになりそうな人たちです。

小児は慎重投与対象内ですが、安全性は未確立ですからね。

 

併用注意には本剤の効果が強く出る

中枢抑制薬、MAO阻害薬、アルコールに加えて

フルボキサミンマレイン酸塩の名前が上がっています。

これは選択的セロトニン再取り込み阻害薬

(SSRI)と呼ばれる精神の薬。

もう少し先のおはなしの主役です。

 

「長期」の例としては

フルラゼパム塩酸塩(ダルメート)を紹介しましょう。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00048427

妊娠・妊娠可能性のある人や授乳中の人、小児への取り扱いは

他の睡眠薬と共通しています。

 

でも、禁忌がちょっと増えますよ。

緑内障と重症筋無力症が含まれるのは、もう大丈夫ですね。

本剤に対するアレルギーのある人も禁忌ですが…

アレルギー対象に「ベンゾジアゼピン系の薬」も含まれていますね。

ベンゾジアゼピン系の薬は、

リラックスモードに関係するGABAを増強する働きのある精神の薬。

「短期」のエチゾラムのところで出てきた

フルボキサミンマレイン酸塩同様、

もう少し先の主役になるお薬です。

あと、抗ウイルス薬(抗HIV薬)のリトナビルも

同じ酵素を使うため、

過度の呼吸抑制が起こる可能性があります。

だからトリアゾラムと同様に禁忌ですね。

 

原則禁忌はぜんそくや肺気腫のように

呼吸機能が高度に低下している人。

呼吸抑制のせいでCO₂ナルコーシスが起こりやすいからですね。

 

慎重投与対象は心臓・肝臓・腎臓の障害がある人と高齢者や小児。

併用注意はフルラゼパム塩酸塩の効果を高めてしまう

中枢抑制薬、MAO阻害薬、アルコール、鎮痛剤。

あとはH2受容体に拮抗する

消化管潰瘍薬のシメチジンもここに含まれてきます。

 

麻酔と睡眠薬のおはなしは、これで一段落です。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20231130更新)