12 各論7:呼吸(中枢・精神):⑦統合失調症の薬(3)
クロルプロマジン塩酸塩の併用注意の続きでしたね。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057572
忘れてはいけない「アトロピン作用のある薬」。
抗コリン作用のある薬のことですね。
制吐薬や消化管機能改善薬の
ドンペリドンやメトクロプラミドは、
クロルプロマジン塩酸塩と
「ドーパミン受容体遮断(邪魔)」で共通しています。
これではプロラクチン過剰に代表される内分泌機能調節異常や
錐体外路症状が出る危険性があります。
錐体外路症状は、不随意運動のことですよ。
小児ではジスキネジアが出やすくなるので、
注意してください。
抗コリン作用が怖いことは、もう意識できていますよね。
消化管症状の重要性がなぜか忘れられがちです。
口渇も便秘・尿閉も危険なサインであることをお忘れなく!
そして併用注意にもう1つ
「炭酸リチウム(リーマス)」があります。
もう少し先で出てくる双極性障害のそう状態に使う薬です。
クロルプロマジン塩酸塩と併用することで、
心電図変化、持続性のジスキネジアを含む重症錐体外路症状、
突発性の悪性症候群、
元に戻らない(非可逆性の)脳障害を起こす可能性が!
どれも重大な結果につながりうるので、
「飲んでいる薬はしっかり確認!」ですよ。
クロルプロマジン塩酸塩に続いて、
ハロペリドール(セレネース)のご紹介です。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00049484
ブチロフェノン系と呼ばれるお薬で、
ドーパミン作用系とノルアドレナリン作用系を抑制します。
統合失調症の陽性症状にも、そう病にも使われる薬ですね。
禁忌はクロルプロマジン塩酸塩とほぼ同じ。
本剤含むブチロフェノン系の薬に対するアレルギー。
アナフィラキシーショック治療以外のアドレナリン使用中。
昏睡や重い心不全に中枢抑制の強い影響下にある人です。
追加されているのはパーキンソン病。
これは錐体外路症状悪化の可能性があるから。
そして動物実験での催奇形性や
出生後の児に離脱症状や錐体外路症状が報告されたため、
妊娠・妊娠可能性のある人では禁忌になっています。
乳汁にも移行するので、授乳禁止ですからね。
併用禁止から先は、次回確認していきましょう。
【今回の内容が関係するところ】(以下20240324更新)