12 各論7:呼吸(中枢・精神):⑥パーキンソン病の薬(8)

パーキンソン症候群が起こったとき、

原因が中毒性なら解決方法は「即時曝露中止」です。

一酸化炭素中毒や二硫化炭素中毒、マンガン中毒が主原因です。

職業的に曝露危険があるものだけでなく、

日常的に生じうる不完全燃焼も含まれることをお忘れなく!

原因が薬物性のとき…原因の薬を中止できればいいのですが。

薬を中止すると元の病気をコントロールできないこともありますね。

そんなときには抗コリン薬を使うことになります。

アセチルコリンの働きを邪魔する薬も、パーキンソン病の薬でしたからね。

先に紹介したトリヘキシフェニジル塩酸塩や、

プロメタジンメチレンジサリチル酸・プロメタジン塩酸塩(ピレチア)の出番です。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00052404

プロメタジンメチレンジサリチル酸・プロメタジン塩酸塩は

抗ヒスタミン薬かつ抗パーキンソン薬。

フェノチアジン系のお薬です。

動物実験のおはなしですが、振戦を抑える効果は

トリヘキシフェニジル塩酸塩の数倍に及びます。

 

禁忌はフェノチアジン系全般のアレルギー。

緑内障や前立腺肥大による尿路閉塞等のある人も、

抗コリン作用で悪化してしまうので禁忌ですね。

昏睡状態や全身麻酔等の中枢抑制剤の強い影響下にある人も、

悪化・増強の恐れがあるため禁忌ですよ。

あと、2歳未満の乳幼児も禁忌です。

外国で致死的な呼吸抑制の報告がありました。

…2歳以上であっても、小児に対しては安全性未確立。

妊娠・妊娠可能性のある人に対しても安全性未確立ですからね。

 

慎重投与対象は肝障害のある人。

そして悪性症候群を起こしやすい脱水・栄養不良等を伴う身体的疲弊のある人です。

 

併用注意は中枢神経抑制が重なるアルコールや中枢神経抑制薬。

降圧剤も降圧作用が重なって、効果が強く出てしまいます。

そして抗コリン作用のある薬。

三環系抗うつ薬や同じ系に属するフェノチアジン系薬物と一緒だと、

抗コリン作用が重なり、麻痺性イレウスの危険があります。

 

以上、パーキンソン病に効く薬から

パーキンソン症候群にも使える薬を紹介してきましたが。

併用注意のところに、

やたらと「抗コリン作用(により麻痺性イレウスの危険)」が出てきましたね。

抗コリン作用で警戒しなくてはいけないのは、

麻痺性イレウスだけではありませんでした。

口渇から水中毒…だって生命を危険に及ぼします。

便秘や尿閉も、重大な異常であることはもう分かっていますよね。

精神看護の世界では、これらすべてに注意する必要がありますよ。

出発点になる神経伝達物質からたどっていけば、難しい話ではありません。

自分で、一度落ち着いてまとめてみてくださいね。