12 各論7:呼吸(中枢・精神):⑦統合失調症の薬(7)

オランザピンの慎重投与対象のおはなしですね。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00047589

糖尿病の家族歴や危険因子のある人についてはおはなし済み。

肝臓に障害のある人や高齢者はいつも通り。

肝毒性のある薬を使っている人は、悪化の可能性があるので注意が必要です。

 

他にも本剤の代謝・排泄が低下するリスクのある人として、

女性の高齢者等が慎重投与対象ですね。

リスク因子に「非喫煙者」が含まれるのは変な気分ですが、

これはタバコ(喫煙)が代謝酵素を誘導するから。

薬の代謝酵素が増えると、薬の代謝(分解)が進みますからね。

 

緑内障、尿閉、麻痺性イレウスのある人は

抗コリン作用で悪化する可能性があるから慎重投与対象。

けいれん性疾患やその既往歴がある人は、けいれんの閾値が低下しうるからですね。

そして自殺念慮や自殺企図(既往を含む)のある人は、

その念慮等が強化される可能性があるので、慎重に。

あと、他の抗うつ薬で悪化報告のあった

脳の器質的障害や衝動性の高い併存障害のある人も慎重投与対象になっています。

脳の器質的障害は、

損傷によって行動異常や精神異常が引き起こされた状態。

「衝動性が高い」というのは、

じっとしていられず突然乱暴な行動に出てしまう状態のことですよ。

 

併用注意薬のうち、本剤の効果を弱めてしまうものは

抗てんかん薬のカルバマゼピンや消化管潰瘍薬オメプラゾール、

抗結核薬のリファンピシンと喫煙(タバコ)。

どれも本剤の代謝酵素を誘導するためです。

ドーパミン作動薬やレボドパのような反対の働きを持つ薬と併用したら、

どちらの効果もいまいちになってしまいます。

また、中枢神経抑制薬との併用は抑制が強く出すぎる可能性が。

抗てんかん薬バルビツール誘導体やアルコール等がここにあたりますね。

抗コリン作用のある薬も併用注意対象。

抗コリン性パーキンソン病薬、三環系抗うつ薬の名前がありますね。

フェノチアジン系はドーパミン受容体を邪魔する統合失調症のお薬でしたよ。

 

そして本剤の効きを強めてしまうものとして、

胆嚢炎等に使うシプロフロキサシン塩酸塩(キノロン系抗菌薬)と

フルボキサミンの名前があります。

フルボキサミンは、抗うつ薬の一種(SSRI)ですよ。

主役としての登場は、もう少しだけ先になります。