8 各論3:体温(消化器系):肝胆膵(3)肝臓・代謝異常(5:痛風1)
代謝異常の3つ目、痛風に入りましょう。
痛風は血液中尿酸値が高くなりすぎて、
体内で結晶化してしまったもの。
やたらととんがった尿酸塩結晶が原因でした。
尿酸は鳥類等のタンパク質排出形態ですが、
ヒトでは尿素で排出でしたね。
ヒトで尿酸になってしまうのは、
核酸(の塩基のうちプリン塩基)を体の外に捨てるときです。
そもそも、尿酸が作られなければ痛風にはなりません。
尿酸を作る酵素キサンチンオキシダーゼを邪魔する薬が、
アロプリノール(ザイロリック)。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00048894
禁忌は過敏症としか記載されていませんが、
慎重投与に注意してみてください。
肝臓や腎臓の障害、高齢者、
メルカプトプリン使用中、
ペントスタチン使用中が慎重投与対象です。
肝臓や腎臓の働きが悪いと、
代謝と排泄がうまくできません。
薬の血中濃度が高めになって、
副作用が怖くなってきますね。
高齢者は、
肝臓や腎臓の働きが衰えてきていることが多くなります。
メルカプトプリン(ロイケリン)というのは、抗がん剤の一種。
アロプリノールと併用すると、肝臓で同じ酵素を代謝に使うため、
メルカプトプリンの働きが強く出て…
抗がん剤の働きの1つ
「骨髄抑制(血球産生抑制)」が強くなりすぎてしまいます。
あと、なぜかは分かっていませんが
抗がん剤の一種ペントスタチン(コホリン)と併用すると、
過敏反応が出やすくなってしまいます。
一応妊婦・妊娠可能性のある人に対する安全性は未確立、
乳汁移行が報告されています。
でも痛風は9:1くらいの割合で男性に多い病気。
これは女性ホルモンが尿酸排泄に協力してくれているから。
だから、女性で痛風が起こるときの多くは
閉経後(女性ホルモンが出なくなった後)で、
そのときには妊娠可能性がありません。
だから「妊婦・妊娠可能性、授乳中」に対する使用注意点は、
念のために頭の片隅に入れておけば大丈夫そうですね。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230306更新)