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8 各論3:体温(消化器系):小腸・大腸(2)大腸(1:潰瘍性大腸炎とクローン病1)

2023年3月18日

大腸の働きは水分を吸収することと、

食べ物の残りかすを体の外に出すことです。

水分の吸収が多すぎると、便が硬くなりすぎて

体の外に出しにくい便秘になってしまいます。

逆に水分の吸収が少なすぎると、

便が形にならずに体の外に出ていく下痢ですね。

 

正常な便では約1/3は水分。

残りは約1/3が食べ物の残りかすで、

約1/3は腸内細菌の死骸ですよ。

 

大腸が変になってしまう病気として、

潰瘍性大腸炎とクローン病をおはなししましょう。

潰瘍性大腸炎は、

その名の通り大腸に潰瘍ができてしまう病気。

クローン病は大腸に炎症ができる病気ですが、

炎症のできる場所は消化管全体。

大腸に限定されないところがポイントですね。

 

どちらも栄養状態が悪くなると症状がひどくなるので、

栄養管理をしっかりと。

場合によっては、

経管栄養や中心静脈栄養(IVH)のお世話になりそうですね。

 

潰瘍性大腸炎にもクローン病にも効くお薬がメサラジン。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00060540

白血球の仲間を呼ぶシグナル、

ロイコトリエンの働きを抑えるなど

炎症をおとなしくさせる薬です。

 

禁忌は重い肝障害や腎障害のある人。

これは薬の代謝で、

肝臓や腎臓の働きをさらに悪化させる恐れがあるからですね。

そしてサリチル酸エステル

又はサリチル酸塩類に過敏症のある人。

これらは抗炎症薬ですが、

これらにアレルギーを起こすと

メサラジンにもアレルギー反応が出る

「交叉アレルギー」が出る恐れがあるからです。

潰瘍の始まりでもある炎症を抑えたいのはやまやまですが、

一緒に使う薬にはちょっと注意が必要そうです。

 

また、併用注意のところに利尿剤とステロイド剤があります。

理由は尿量やナトリウム、カリウム、塩化物イオン等が

必要以上に体の外に出ていってしまう恐れがあるから。

ステロイド剤も、抗炎症目的で使いたい薬の1つです。

でも、使うときにはしっかりと水分量、

血液中ミネラル(イオン)濃度を確認しないと、

今度は循環系がおかしくなってしまいますよ!

 

次回はクローン病に効くインフリキシマブのおはなしです。

禁忌と警告が多い薬ですからね!

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230318更新)