8 各論3:体温(消化器系):小腸・大腸(2)大腸(3:下痢と便秘8)
D-マンニトールの禁忌確認ですね。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066871
急性頭蓋内血腫のある人では禁忌となります。
頭蓋内で出血があっても、
脳脊髄液の圧力に負けて一時止血状態
(血管に傷はあるけど、血液が血管外に行かない状態)
になることがあります。
このときD-マンニトールで脳脊髄液の圧力が下がると、
出血再開してしまいます。
だから出血を処理して、
再出血のない状態になっていない頭蓋内血腫は禁忌ですよ。
慎重投与と使用上の注意も見ておきましょう。
慎重投与は脱水状態の人、尿閉、腎障害のある人、高齢者。
血管外の水分を尿として体の外に出すので、
脱水している人は更なる脱水の危険ですね。
また、D-マンニトールの働きは
「尿として体の外に出すこと」が前提。
尿を出せない(尿閉)の人では、
尿を作っても体の外に出せませんね。
できた尿が出ていかないのではろ過も進まず、
D-マンニトールが吸いだした水分で
血圧が上がる危険もあります。
高齢者や腎障害のある人では、
糸球体でうまくろ過ができない可能性が高いですね。
また、使用上の注意のところに
「点滴のみの使用」、
「事前に排尿カテーテル等を
入れておくことが望ましい」とあります。
D-マンニトールを体に入れると、
すぐに利尿効果が出てきます。
そこからトイレに向かっても間に合いません。
まず、排尿用のカテーテルとバッグを準備・装着して
「いつ利尿作用が来ても万全!」にしておきましょう。
それから決められた速度を守って
D-マンニトールを体内に入れてください。
さもないと、急に血管外水分が移動して
ショックを起こしてしまうかもしれませんからね。
以上、体温ブロックの1つ目「消化器系」のおはなしでした。
後回ししてしまったところがいくつかありますが、
そこは紹介にちょうどいいところになるまでお待ちください。
次回からは、体温ブロックの2つ目、
「内分泌系(ホルモン)」が主役になりますよ。
【今回の内容が関係するところ】(以下20230318更新)