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9 各論4:体温(内分泌系):副腎・性腺(1)

2023年4月4日

内分泌系の3つ目、「副腎・性腺」パートです。

位置は少々下になりますが、

前回までの話と関係の深い「性腺」から始めますよ。

 

性腺から出るホルモンを補充するとき、

「命令する立場のホルモン」補充をすることもあります。

それについては「頭部パート」でおはなしした通り。

視床下部や下垂体に原因があったとき、でしたね。

直接性(腺)ホルモンを補充するときには

「不妊」と「悪性腫瘍(がん)」に関係することが多いですよ。

 

女性ホルモンの黄体ホルモンを補充するお薬が、

ジドロゲステロン(デュファストン)。

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00056266

補充対象は月経周期異常、月経困難症、

機能性子宮出血、子宮内膜症のような月経に関する不具合。

あと、黄体機能不全による不妊症をはじめ、

習慣性流早産や切迫性流早産にも使われます。

黄体ホルモンを補うことで、

受精卵が着床しやすい環境を作り、維持していくのですね。

禁忌は、重い肝障害のある人です。

 

男性ホルモンを補充する薬が

テストステロンエナント酸エステル(テスチノン)

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00055304

補充対象は性腺機能不全や造精機能障害による不妊。

他にも再生不良性貧血、腎性貧血、

骨髄繊維症にも使われるお薬です。

 

腎性貧血は、

腎臓から出るエリスロポエチン不足のせいで

赤血球が成熟できないために起こる貧血。

再生不良性貧血は、

骨髄での細胞分裂がうまくできないため

血球全体が不足してしまう貧血です。

再生不良性貧血のときには、

細胞分裂を促す「造血因子」の刺激が必要です。

代表的な造血因子は腎臓由来のエリスロポエチン。

そして男性ホルモンは

エリスロポエチン産生を促進させる働きがあります。

だから男性ホルモン補充は腎性貧血にも、

再生不良性貧血にも使われるのです。

男性の方が赤血球数が多い理由も、

分かってもらえるはずです。

 

骨髄繊維症というのは、血球のうち

白血球や血小板ばかりが作られるようになったもの。

そのせいで骨髄がスポンジ状ではなく

硬く(繊維状)になり、

やがて血球を作れなくなってしまいます。

スタートは、赤血球ができなくなったせいで起こる貧血。

だからエリスロポエチンが必要で、

男性ホルモン補充の意味があるのですね。

 

禁忌と併用注意については、次回おはなししましょう。

 

【今回の内容が関係するところ】(以下20230404更新)